OMNIBUS a Go Go Vol.67『SUBTERRANEAN MODERN』

ラルフ・レコードより1979年8月にリリースされたオムニバス。1979年当時、地下における最新の蠢き(New Wave/Post Punk)を記録したタイトルでもある。

クローム、MX-80サウンド、タキシードムーン、そしてラルフの創始者でもあるレジデンツというサンフランシスコゆかりの4バンドが参加している。その為か「I Left My Heart In San Francisco」(邦題:想い出のサンフランシスコ/霧のサンフランシスコともいう) が各バンド共通課題のカバー曲として収録されているのだが、クロームは実にあっさり、バッサリ渦巻く電子音と共に30秒程で片付け、MX-80サウンドは前衛的なリズムに“サンフランシスコ”のメロディをのせたギター・インストに調理、レジデンツは不気味なバックトラックに“I left my heart in San Francisco!”が繰り返されるストレンジな仕上がり、タキシードムーンは電話の会話にハーモニカ(?)による“サンフランシスコ”のメロディが物悲しく被さる、という工夫されたトラックに加工、とそれぞれ一筋縄ではいかない出来上がりだ。

クローム目当てで手に取ったのだが、目玉・シルクハット・燕尾服のルックスは知っていてもなかなか聴く機会の無かったレジデンツの エレクトロニックでアヴァンギャルドでユニークな楽曲(オリジナル曲の2曲ではギターでフレッド・フリスがゲスト参加している)や、サイケデリック・ロックとニュー・ウェイヴの合体したようなMX-80サウンドはこのオムニバスで初めて聴いたし、タキシードムーンもエレクトロニックかつノイジーかつダークで魅力ある演奏を聴かせてくれる。クロームは特に性急なビート感に満ちた「Meet You In The Subway」が素晴らしい。もう1曲は「Antifade」。

ジャケットはゲイリー・パンターによるもので、このイラストも購入欲をそそられた。CD化はされていないようだが、このジャケはアナログを薦めたい。

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