OMNIBUS a Go Go Vol.71『THEE LONDON R&B SESSIONS LIVE AT THE HOPE & ANCHOR』
ロンドンのパブ、ホープ&アンカーでライブ録音されたオムニバスの第二弾といってもよいだろう。『フロント・ロウ・フェスティバル』と同じアルビオンから1980年にリリースされた(録音は1979年11月~12月)。
やはりなんといってもルー・ルイス。ルイスのハープとリック・テイラーのギターがブルース・フィーリングもたっぷりのロックンロールになったリトル・ウォルターのカバー「You'd Better Watch Yourself」と、元はホーン主体のアレンジをギターに置き換えゴリゴリのロックンロールになったジュニア・ウォーカーのカバー「Shake And Finger Pop」の2曲。ルー・ルイスは他のアルバムやシングルの音源も良いがこのオムニバスの2曲は特に好き。
ボギー・ボーイズはアイルランドのバンド。個人的にはジョージ・サラグッドで馴染みのあるエルモア・ジェイムスのカバー「Madison Blues」だが、弾きまくりのスライド・ギターはこちらも負けてない。かっこいい。もう1曲はこちらもスライドで攻めまくるチャック・ベリーの「You Can't Catch Me」。
ウィルコ・ジョンソンズ・ソリッド・センダースはスクリーミン・ジェイ・ホーキンスのカバー「The Whammy」で もともとストレンジな曲だが、更にマッドなボーカルとエキセントリックなブルース・ギタープレイが楽しめる。最高。レッド・ビーンズ・アンド・ライスは「Finger In My Eye」、「Pucker Up Buttercup」の2曲。サックスも効いたパブ・ロック。
アンタッチャブルズは有名なスカ系バンドとは別で、マディ・ウォーターズ「I Can't Be Satisfied」カバーを軽快にキメてくれる。カウント・ビショップスの初代シンガー、マイク・スペンサー率いるカンニバルズはストーンズ・ライクな「Just For Fun」、ボーカルがデイヴ・タイスに代わったビショップズは「Taste And Try」でサヴォイ・ブラウンのカバー。ジョニー・ギターの弾きまくりソロも聴きものだ。
『フロント・ロウ・フェスティバル』にも参加していたパイレーツはジョニー・バーネット「Tear It Up」のドライヴィン・カバーとオーディエンスと1体になった演奏の「All In It Together」の2曲。ホープ・アンド・アンカー・ハウス・バンドは古いR&Bでリトル・ミルトン、プレスリーやゼムもカバーしていたロスコ・ゴードンの「Just A Little Bit」。アメリカン・ブルース・レジェンズはソウルフルな「Why Do Everything Happen To Me」。マクギネス・フリントのふたりがメンバーにいるザ・ブルース・バンドは「Death Letter」でデルタ・ブルースのサンハウスのカバー。デイヴ・ケリーのスライド・ギターが効いたアレンジ。
リトル・ルースターズはモッドリバイバル組にも顔を覗かせていたようだが、ここではなんとなくジョナサン・リッチマンをイメージしてしまうガレージっぽい「Roostering With Intend」を収録。1979年にパイからリリースされたシングルのB面曲。リトル・ルースターズは、この後ジョー・ストラマーのプロデュースでシングルとアルバムを出しているようだ。