ECHO & THE BUNNYMEN「NOCTURAL ME」

2009年5月リリースのアルバム『Ocean Rain Live 2008』より。

イアンのソロ再発と一緒に気付いたのがこれ。
エコー&ザ・バニーメンのオフィシャル・サイトで販売されていたライブ・アルバムCDで、 2008年12月27日、地元リヴァプール・エコー・アリーナでおこなわれた、アルバム『オーシャン・レイン』(1984年リリース)再現ライブを収録。CDの販売は既に終了しているが、iTunesで配信されているので聴く事が出来た(Amazonでもダウンロード販売がある)。

異論もあろうがアルバム『オーシャン・レイン』がバニーズのひとつの到達点である事は間違いないだろう。個人的にはこのアルバムが最高傑作と思っている。
「Silver」、「Killing Moon」、「Seven Seas」という必殺のシングル3枚を含み、他にも「Crystal Days」、「My Kingdom」、タイトルトラック「Ocean Rain」というアコースティックな雰囲気の柔らかな名曲があり、変則ボ・ビートでドアーズに通じる迫力ある演奏の「Thorn of Crowns」、映画音楽のような不思議な「The Yo-Yo Man」、この2曲はネオ・サイケデリックと呼ばれたバニーズの面目躍如といったところ。
オーケストラによる弦の響きが緊張感を生む「Nocturnal Me」はアルバムでは2曲目に配され、オープニングの「Silver」と3曲目「Crystal Days」というポップな曲を繋ぐダークでメランコリックで重層な佳曲。

そう、全9曲が素晴らしく、曲の並びも含め、ジャケットから演奏の内容までパッケージされた全てに必然性が感じられる稀有なアルバムだ。イアン・マッカロクにとってもこのアルバムは特別の思い入れがあるに違いない。

再現ライブ・アルバムから選んだのは「Nocturnal Me」。これまでこの曲のライブ・バージョンは聴いた事がなかったし、緊張感のあるアレンジはそのままだ。イアン・マッカロクのボーカルは年相応の衰えを感じさせるが、それさえも枯れたものとしての魅力を感じさせてくれるライブ・バージョンだ。

他のトラックでは大合唱が起こる「Killing Moon」、「Ocean Rain」。前者は “うーん皆歌うか…”と感じ、後者は “皆に愛されている曲だ ”と思った。ただ、このライブ盤は曲によってはギターの音が大きすぎたり、ミックスがあまり好きになれない。それに配信のせいかオーケストラ楽器の音質がいまひとつに感じる。特に音質面でCD盤はどうなんだろうか、気になるところだ。

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