OMNIBUS a Go Go Vol.89『RESPOND 12" SINGLE COLLECTION』
レスポンドのカタログにある17枚の12インチから、エクステンデッド・バージョン、ロング・バージョン、リミックス・バージョンを多数収録、当時お蔵入りとなっていたらしいクエスチョンズの「Someone's Got To Lose」を収録。12インチのカップリングに多かったインスト・バージョンは収録されていない。それからエイ・クレイズの12インチからの収録は無かった。
なかでも嬉しかったのはスティーヴ・ホワイトがM.E.F.F.(マイティ・エルサム・ファンク・フェデレーション) 名義で1984年9月にリリースした12インチ「Never Stop(A Message)」だった。 そのダンサブルでラテン・フレイバーなタイトル・トラックとアフリカンかつフリー・ジャズな「Nzuri Beat」、タイトル・トラックのエレクトロな表現を強調したバージョンの「Non Stop Electro」の全3曲を収録。この12インチのプロデュースとスタイリッシュなスリーブ・デザインはポール・ウェラーだった。
クエスチョンズは美しい「Acapella Foundation」や、ヒートウェイブの1978年のヒット曲カバーをニューウェイヴィーなベースで味付けした「The Groove Line」、トレイシーに提供した「The House That Jack Built」(個人的にはこちらの方が好き)等11曲と多数収録、トレイシーもファンキーな「Soul's On Fire(extended)」や、トレイシー・ヤング名義でジョージ・マクレーのソウル・カバー「I Can't Leave You Alone(pick'n' mix)」等を含め10曲が収録されている。
残念なのは曲順で、各CDの最初がトレイシーとポール・ウェラーの会話というかインタビューの「Tracie Talks」と「Tracie Raps」。CDをセットして1曲目にかかるのがこれ、というのは少しマニアックなのでは。 リリース時期もアーティストも収録された盤からもバラバラ、良く言えばバラエティ感はあるが統一性が感じられない。クエスチョンズ「Work'n' Play(extended)」(1982年)で始め、シンプルにリリース順、かつ盤収録順に並べたほうが良かったと思う。それにCDジャケットも、切り貼りしたコラージュのジャケットは全然レーベルカラーに合っていない。とはいえ、レスポンド・レコードのリリースした12インチの大半がまとめて聴けるのは非常にありがたいものだ。