WILKO JOHNSON『TOKYO SESSION 2013 at REDSHOES』
2013年1月13日に南青山のレッドシューズで行われたウィルコ・ジョンソンを囲んだセッションの模様を収録したDVDで、当日の収益と同じようにDVDも全ての収益金を「BENEFIT FOR NIPPON」を通して福島県の震災被災者に寄付する「チャリティDVD」として販売された。リリース記念としてチャリティーTシャツもDVDとのセットで販売され、その収益金についても同様寄付されるということだ。
ウィルコの親友というベンジャミン・テホヴァルが器用に複数の楽器を操りながら歌う「San Francisco Bay Blues」が1曲めに収録されている。2曲めの「I Can Tell」からウィルコ登場。そこからは怒涛のロックン・ロール・セッション。バンドは鮎川誠、奈良敏博、川嶋一秀、シーナのシナロケ組に数曲で花田、チバ、浅井健一などが参加した。
演壇も客席との区切りもなく、観客の押し寄せる激狭のステージで演奏する姿は、見ているこちらがもっとやりやすい会場はなかったのか、と思うほどだが、レッドシューズはウィルコが指定した場所らしい。会場のスタッフは常に観客を押しとどめているため、もはやほぼ出演者となり映像にもその姿が常に映っている状態だ。
セッションだからぶっつけ本番みたいな、あるのはただロックンロールのルールだけ。 「Sneakin' Suspicion」、「Dr. Dupree」、鮎川が歌う「Roxette」などウィルコの持ち歌でキレた演奏を見せてくれる。観客をかき分け花田登場。「Little Queenie」を歌い、ウィルコのカッティングに花田がソロを決める場面も。ゲストも次々登場し、チバの歌う「Do The Boogie」は違う曲になりカオス状態、「Walking The Dog」、「Route 66」、「King Bee」等のロック・クラシックをゲストと共に爆奏。
再びフィールグッズの「Back In The Night」を聴かせ、「She Does It Right」をバッチリ決め、一旦退場。アンコールは「Bye Bye Johnny」。途中でスローダウンして“俺は俺のギターを弾く”と、ギターを掻き鳴らし、 “遠くの列車の音を聞け”と日本のミュージシャンと観客達にロックンロールとブルースのスピリットを伝授するかのような姿が感動的だった。そしてウィルコ自ら“Bye Bye Wilko”と歌っていた。“お別れだウィルコ”と…。
だけど2013年の夏、フジロックでウィルコ・ジョンソンは日本に戻ってきてくれた。ノーマン・ワット・ロイとディラン・ハウも一緒だった。素晴らしいステージを見せてくれたようだ。『FUJI ROCK EXPRESS 2013』でレポートが読める。