『CROSSBEAT Special Edition THE CLASH』
2012年12月に『THE DIG Special Edition THE CLASH featuring Joe Strummer』が出版されて間もないのだが、同じくシンコーミュージックからまたもやクラッシュのムックが2013年9月9日に出版された。 “月刊誌としては一旦休刊する”という発表が先月あった雑誌“クロスビート”のスペシャル・エディションで、9月10日に発売となる12枚組ボックスセット『サウンド・システム』のリリース直前というタイミングだ。そのボックス(結局国内盤は出なかった)は値段の割に初出の音源が少ないのと、そのうち幾つかはブートで聴いてしまっていることもあり、私は今のところ購入を見送っているのだけれど…。
まずは、そのボックスの内容解説とポール・シムノン最新インタビュー(勿論ボックスについても言及している)。その他インタビューは雑誌『ジャム』、『ミュージック・ライフ』、 『クロスビート』で過去に掲載されたクラッシュのメンバーに対するインタビューを再掲載しているが、いくつかは以前にシンコーミュージックから発売されたムックに掲載されていたものとダブりあり。
『動乱』発表後しばらくしてのインタビューだったジャム1979年7月号の水上はるこによるもの、『ロンドン・コーリング』リリース後のミュージック・ライフ1980年4月の東郷かおる子によるものの一部、ポーグス加入時のクロスビート1992年3月号の大谷英之によるもの、は2002年にジョーが亡くなってすぐに出版された『THE DIG Tribute Edition JOE STRUMMER 1952-2002』 に再掲されたものと同じ。
トッパーのインタビューはミュージック・ライフ1982年3月号の森田敏文による1982年のクラッシュ来日時のもので、2006年にシングル・ボックスがリリースされたときに出版された『THE DIG Special Edition THE CLASH』に再掲されたものと同じ。
また、ジャム1979年2月号の水上はるこによるジョー・ストラマー日本初インタビューは、2002年雑誌THE DIG No.30に再掲載されていた。
他の10本のインタビューは再掲載とはいえ、まとめて読めるのは有り難い。特にミックのBADもからめた1993年と2011年、クラッシュの思い出を語った2004年のインタビューは興味深い。 ポールのHAVANA 3AM始動時のインタビューもあり、日本での契約レコード会社はポートレイト・レコードと記載あり、長らくCDラックから取り出すこともなく眠っていたデビュー・アルバム『ハバナ3AM』を取り出して確認してしまった(1990年日本先行リリースで配給はテイチク)。
あとはおなじみバイオ記事、ディスコグラフィー、影響を受けたアーティスト、影響を与えたアーティストなど。記事の書き手はほぼ新しくなっているようだ。まぁ最近のポール、ミック、トッパーの動向がわかるくらいで目新しさは無い。これまでのシンコーミュージックのクラッシュ関連のムック作りが良かっただけに、今回はちょっと内容的には薄いかな、と思うけれども、ジョーの訃報から10年以上が過ぎ、シングル・ボックスのリリース時からも7年が過ぎようとしているから、若いファンには充分な内容だろう。
この本読んだらボックス欲しくなるかと思ったけれどそうでもなかった。