THE BEATLES「THERE'S A PLACE」
ビートルズのBBC音源集の続編がリリースされた。
BBCの音源は様々なアーティストのものがリリースされているけど、自分の興味のあるアーティストのライヴ・パフォーマンス(厳密にはダビングすることもある)を聴くことが出来るのは魅力的だ。アンダーグラウンドなアーティストでは特にジョン・ピールによる“Peel Session”の音源は有り難いものだし、70年代後半から80年代にかけてのパンク・ニューウェイヴのアーティスト達のアルバム・リイシューにはBBC音源がボーナストラックとして収録されることも多く、私にとっては興味深い。
ビートルズのBBC音源第一集は1994年12月のリリースだからもう19年経っているのか…。今回リリースされた第二集はネットのニュースとかでは知っていたけど、特に凄く“聴きたい!”ということもなく“あー出るんだ”くらいで、何月何日にリリースされるのかも気にしていなかった。ただ発売日の新聞一面使っての広告を見て、“あー出てるんだ”となったら気になってその日に買ってしまった。第二集に収録されている最古の放送は1963年1月、もう半世紀前なんだな…。
今回の目玉は公式未発表カヴァー2曲「Beautiful Dreamer」と「I'm Talking About You」。ビートルズの様に多くのラジオ・プログラムに出演し同じ曲を何度か演奏している場合、マニアにとってはやはりBBC音源コンプリートで、と思うだろうが、日付違いの同じ曲を同時収録してリリースするのはなかなか一般的な商品として出し辛いと思う。そう言う意味では前回リリース時に収録もれとなっていたオリジナル曲やカヴァー曲(番組テーマ曲を除く)のBBC音源36曲のうち、25曲が今回は収録されているので、BBC音源の演奏曲目としてはある程度補完されている。まだ未収録なのは、
オリジナル曲では、
「I Call Your Name」
「I Should Have Known Better」
「I'm Happy Just To Dance With You」
「The Night Before」
カヴァー曲では、
「Dream Baby」
「Besame Mucho」
「A Picture of You」
「Sheila」(未放送)
「Three Cool Cats」(未放送)
の11曲となった。
「There's A Place」は前回リリース時には未収録だったが、今回は3回放送されたなかから1963年9月3日放送“Pop Go Beatles”のヴァージョンが収録された。ファースト・アルバム『プリーズ・プリーズ・ミー』収録のスタジオ・バージョンではハーモニカをフューチャーしていたが、この演奏ではハーモニカ抜きで、イントロのフレーズをソリッドなギターの音色が奏でているのがカッコいい。リンゴの上体を大きく揺らしている映像が目に浮かぶようなパワフルなビートにのせて、ハーモニーも抜群、キレた演奏のワイルドでパワーポップな仕上がりとなった。フレイミンング・グルーヴィーズのカヴァー・ヴァージョンを思い出す。
もちろんその他全て聴きどころだが、メンバー4人のインタビュー・トラックが各8分ずつ収められているのが、どうかな?と思うところ。第三集があるのかわからないけど、未収録曲とともに気になるところは最初期ピート・ベスト在籍時のBBC音源。出してくれないかなぁ。
日本国内のアーティストも国営放送NHKには多くのライヴ音源が残されていると思うが、蔵出しは難しいのかな?使用料が高いとどこかで読んだけど、イギリスに比べて商品化のハードルがかなり高いのだろうか。