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湯浅学監修・選『日本ロック&ポップス・アルバム名鑑1979-1989』

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ミュージック・マガジン社発行、レコード・コレクターズ増刊、2014年2月14日発売。 『1966-1978』が出版された時、続巻は2013年11月の発売予定だったから大きくずれ込んだが、 『日本ロック&ポップス・アルバム名鑑1979-1989』が発売された。湯浅学監修・選による1,005枚のアルバムを発売順に掲載。発売日の2月14日は関東地方で大雪。これまで経験したことの無いくらいの積雪で本屋へ行くのに難儀した。ようやく手に入れたのは2月20日、この辺りの年代はほぼリアルタイムなのでどんな内容か楽しみにしていた。 前巻の序文で湯浅学が“解説枠の大小はその盤の重要度ではない”と記しているとはいえ、ルースターズの紹介された6枚のアルバムのうち、どれか大ワクで紹介してほしかったなぁ。選盤についてはいろいろ意見はあろうかと思うが、個人的には11年間でこれだけのジャンル/量は納得して良いと思う。今回もジャケットは全てカラーで掲載されており見ていて飽きない。中にはオリジナルが手に入らず再発CDで掲載されているものもある。山口フジオ『PRIVATE CASSETTE』なんか誰か持ってそうだけど。 1979年頃からの日本パンク/ニュー・ウェイヴの勃興はアルバムではなくシングルやソノシートのみのリリースも多いから今一つ解り難いかも。なので巻末の“発掘盤”ではミスター・カイト『ライヴ・イノセント』が紹介されているのがうれしい。同じ頃出たミラーズ『リアル・ステイト』も紹介してほしかった。 だけどクレイジーライダー…が大ワク使って“日本のラモーンズ”って書かれてもねぇ。

私の放浪音楽史 Vol.12 GILLAN『GLORY ROAD』

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1980年ヴァージンよりリリースのアルバム。 ディープ・パープルのメンバーその後を追いかけるということでは、リッチーのレインボーと共にイアン・ギランの動向を追いかけていた(デヴィッド・カヴァーデイルのホワイトスネイクも聴いていたが…)。DP脱退後の2枚目のアルバムとなるイアン・ギラン・バンド名義の『Clear Air Turbulence(邦題:鋼鉄のロック魂)』を友人に借りて気に入り、『Scarabus(邦題:魔性の勇者)』や『Live At The Budokan』も借りて聴いていた。1枚目の『Child In Time』は輸入盤で入手した覚えがある。このクロスオーヴァー/フュージョン・ライクなサウンドとイアン・ギランのハードロック・シャウトのミックスは私のまわりでも受け入れられて人気はあった。だが日本以外の国では当時このアルバム群は不評だったらしく、結果キーボードのコリン・タウンズ以外のメンバーを一新、ベースにジョン・マッコイ(日本のみで発売された『GILLAN』に参加していた)、ギタリストにバーニー・トーメ、ドラムにミック・アンダーウッドという布陣でバンド表記は“GILLAN”として活動を開始する。 その第一弾リリースがアルバム『ミスター・ユニヴァース』で、1979年にリリースされたが、 この頃には私のまわりではパンク/ニュー・ウェイヴへ嗜好の移行が始まっており、 “オールド・ウェイヴ ”なハード・ロックのアルバムを購入する友人はもはや少なくなっていた。なので『ミスター・ユニヴァース』は自分で購入。ここで初めてバーニー・トーメのギターを聴いたのだが、A面の1曲目「Vengence」~2曲目「Mr.Universe」のイコライズされたスモーキーともいえるトーンとアームを多用したアグレッシブなプレイが気に入り、またルックスもかっこよく私的には一発でファンになってしまった(『ミスター・ユニヴァース』の日本盤はジャケットと収録曲が本国イギリス盤とは違っていた)。 1980年にリリースされたGILLANとしては2枚目のアルバム『グローリー・ロード』はバンドの結束も強まり、折からの"NEW WAVE OF BRITISH HEAVY METAL" ムーブメントの追い風もあり、全英チャート3位となるヒット。英盤の初回盤はフリーアルバムが付属していたが、...

私の放浪音楽史 Vol.11 THIN LIZZY『LIVE AND DANGEROUS』

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1978年ヴァーティゴよりリリースのライヴ・アルバム。 アナログではダブルアルバムで輸入盤を友人から借りて90分カセット・テープに録音し繰り返し聴いていた耳馴染みのある作品。ハード・ロックやメタルのレコードを手放した時でも長距離の車で行く旅行なんかにはニュー・オーダーやスタイル・カウンシルなんかのカセットと一緒に よくこのカセットを持って行ったものだ。長距離旅行には収録時間の長さも必要だし。 ロックン・ロールがルーツ/ベースにあり、ブライアン・ロバートソンとスコット・ゴーハムの流麗なツイン・ギター、洗練と激しさと独特のワイルドさも兼ね備えた演奏は魅力あるものだ。それはボブ・シーガーのカヴァー「Rosalie」にも表れていると思う。美しいツインリードで始まる「South Bound」、タイトな演奏の「Dancing In The Moonlight」(グラハム・パーカーのアルバム『ハウリン・ウィンド』や『ヒート・トリートメント』 に参加していたジョン・アールがサックスで参加)、美しいバラード「Still In Love With You」など前半はメロディアスな曲が並ぶ。 オリジナル・アナログではC面の1曲目になる「Cowboy Song」からメドレーのようになだれ込む「The Boys Are Back In Town」がこのアルバムのハイライトだ。 個人的にはここまでの流れが好み。この後はハードで盛り上がる曲が目白押し。「Baby Drives Me Crazy」ではヒューイ・ルイスがハーモニカで参加している。

私の放浪音楽史 Vol.10 VAN HALEN『VAN HALEN』

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1978年ワーナーよりリリースのアルバム。 1978年と言えば欧米ではパンク・ロックの嵐が1977年に吹き荒れた後で、セックス・ピストルズはもはや空中分解していた。そんな事は露知らず、田舎のガキはまだリッチー・ブラックモアに続くハード・ロック・ギター・ヒーローを求めていた。当時フレッシュなバンドが聴きたい!と感じていたところにアメリカからの強烈な一撃となったのがヴァン・ヘイレンの登場だった。 1曲目のコード感が気持ち良い「Runnin' With The Devil」に続く「Eruption(邦題:暗闇の爆撃)」を聴いたときの衝撃はまさに爆撃級に感じたものだ。速い超絶フレーズの連続、アーム・プレイもかっこよく、ライトハンドのフレーズは奇妙に響き “これ、どーやって弾いてるんだろう!?” とただただ驚くばかり。この2分に満たないインストゥルメンタル1曲が通常のアルバム2枚分くらいに匹敵するくらいの重みというか充実感というか満足度だった。 続く「You Really Got Me」はガキゴキしたリフと合いの手に入るギター・フレーズ、ロックン・ロールなギター・ソロもキマっている名カヴァー。だが当時キンクスのオリジナルはまだ聴いた事がなかった。4曲目「Ain't Talkin' 'Bout Love」はイントロのフレーズがかっこいい。ここまで完璧な流れ。 この後もほとんどが3分台の曲が続きコンパクトにまとまっていて、甘く緩いバラードなんか無くて、ジョン・ブリムのブルース曲「Ice Cream Man」の陽気なカヴァーもあり、フレッシュかつガツンと効いたアルバムだった。 ただ個人的にはヴァン・ヘイレンで気に入って聴いたのはこのファースト・アルバムのみ。