My Wandering MUSIC History Vol.12 GILLAN『GLORY ROAD』
ディープ・パープルのメンバーその後を追いかけるということでは、リッチーのレインボーと共にイアン・ギランの動向を追いかけていた(デヴィッド・カヴァーデイルのホワイトスネイクも聴いていたが…)。DP脱退後の2枚目のアルバムとなるイアン・ギラン・バンド名義の『Clear Air Turbulence(邦題:鋼鉄のロック魂)』を友人に借りて気に入り、『Scarabus(邦題:魔性の勇者)』や『Live At The Budokan』も借りて聴いていた。1枚目の『Child In Time』は輸入盤で入手した覚えがある。このクロスオーヴァー/フュージョン・ライクなサウンドとイアン・ギランのハードロック・シャウトのミックスは私まわりでも受け入れられて人気はあった。だが日本以外の国では当時このアルバム群は不評だったらしく、結果キーボードのコリン・タウンズ以外のメンバーを一新、ベースにジョン・マッコイ(日本のみで発売された『GILLAN』に参加していた)、ギタリストにバーニー・トーメ、ドラムにミック・アンダーウッドという布陣でバンド表記は“GILLAN”として活動を開始する。
その第一弾リリースがアルバム『ミスター・ユニヴァース』で、1979年にリリースされたが、 この頃には私のまわりではパンク/ニュー・ウェイヴへ嗜好の移行が始まっており、 “オールド・ウェイヴ ”なハード・ロックのアルバムを購入する友人はもはや少なくなっていた。なので『ミスター・ユニヴァース』は自分で購入。ここで初めてバーニー・トーメのギターを聴いたのだが、A面の1曲目「Vengence」~2曲目「Mr.Universe」のイコライズされたスモーキーともいえるトーンとアームを多用したアグレッシブなプレイが気に入り、またルックスもかっこよく私的には一発でファンになってしまった(『ミスター・ユニヴァース』の日本盤はジャケットと収録曲が本国イギリス盤とは違っていた)。
1980年にリリースされたGILLANとしては2枚目のアルバム『グローリー・ロード』はバンドの結束も強まり、折からの"NEW WAVE OF BRITISH HEAVY METAL" ムーブメントの追い風もあり、全英チャート3位となるヒット。英盤の初回盤はフリーアルバムが付属していたが、私は国内盤で聴いた。スピード感たっぷりの「Unchain Your Brain」で始まり、ヘヴィな「Are You Sure」、3連リズムの「Time And Again」、続く「No Easy Way」の冒頭部にはバーニーの多重録音ギター・インストが挿入され、イコライジングされたトーンでエキセントリックなギター・プレイが楽しめる。速弾きという面では他のテクニカルなギタリストに及ばないが、それを上回るクセになる味があるのがバーニーのギターだ。その他にもバーニーのギターとコリン・タウンズのキーボードを生かしたハード・ロック・チューンが並ぶGILLANを代表するアルバム。
GILLANはこのあと1981年にアルバム『フューチャー・ショック』をリリースするが、この後 “ステージで相変わらず「Smoke On The Water」を演奏するのに嫌気がさした” バーニー・トーメはGILLANを脱退する。