椎名林檎 「NIPPON」

2014年6月リリースのシングル『Nippon』PV。

2014年サッカー・ワールドカップ・ブラジル大会。“日本のサッカーで世界を驚かす”と大会トップへの道を高らかに掲げてきた日本代表がグループリーグ1分け・1敗で6月25日グループ最強のコロンビア戦を迎える。もはや勝利しかない。勝ってもグループリーグ突破にはもうひとつのギリシャVSコートジボワール戦の結果に影響される。しかし先ず第一条件は得点をあげ勝つしかないのだ。崖っぷちの日本代表にこそ、今こそ、この歌はむけられている。

この歌はもはや応援歌ではない(“フレー・フレー”と歌っているのだから応援をしているのだが)。応援歌のスタイルを取りながら、その奥には日本代表へ突きつけた刃の如き鋭さを持っている。まるでこうなるのを見越していたかのように。椎名林檎から日本代表への挑戦とも思える内容だ。

 "噫また不意に接近している淡い死の匂いで
 この瞬間がなお一層 鮮明に映えている
 刻み込んでいる あの世へ持って行くさ
 至上の人生 至上の絶景”

ピッチという最前線に立つアスリート達の必死の戦い(それは日本代表に限らないし、サッカーというスポーツに限らない)。その中で感じる孤高ともいえる一瞬の気分をすくい取った歌詞に果たして現実の日本代表は近づけるのか。

強靭なアタックでボールを奪い、高速のスピードでボールを操り、パスをつなぎ、走り抜けてゆくオートマティズムの先にあるゴールという“爽快な気分”は、無垢で混じり気のない、そして気高い日本のサッカーができた時に決まる。そこで勝利は待っている。
…と書いたけど、泥臭いゴールでいいよ。泥臭い勝利でいいから、勝ってグループリーグを抜けてくれ。

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