THE BLUEBELLS「EVERYBODY'S SOMEBODY'S FOOL」

2014年7月リリースのコンピレーション・アルバム『Exile On Twee Street / Songs From Glasgow 1980-1982』より。

ブルーベルズがメジャー・デビュー前に録音していたレア・トラックを集めたアルバムがリリースされた。1981年12月にポストカード・レコードからシングルをリリース予定だったというブルーベルズ。結局ポストカード・レコードは1981年8月のアズテック・カメラのシングル・リリースを最後に活動を停止してしまい、ブルーベルズはメジャーのロンドン・レコードと契約、1982年にデビューすることになる。

このレア・トラック集はブルーベルズがポストカードからのリリースに向けて行っていたとも言える初期のデモ・リハーサル音源集で(「Happy Birthday」はブルーベルズの最初のリリース音源であるファンジン付録フレキシ・ディスクからの収録、ヴェルヴェッツの「I'm Set Free」のカヴァーはライヴ・ヴァージョンでの収録)、曲毎のクレジットは無いが、ライナーのインタヴューによると、多くの録音は共同住宅の地下室を改造した4トラックの録音設備しかなかった“The Hellfire Club”という所で行われ、他にはケルビングローブ公園近くのスタジオ(16トラックの設備があった)やエジンバラのスタジオで録音されたという。後にアルバム『シスターズ』やシングルとしてリリースされる曲を含むが、これまで未発表曲だった「East Green」等も収録されている。

「Everybody's Somebody's Fool」はブルーベルズのヴォーカル、ロバート・ホッジンズのペンによるオリジナル曲で、ロンドン・レコードからのデビュー・シングル(1982年)の12インチに収められていたロビン・ミラー(EBTGやウィークエンド、シャーデー等を手掛けた) とコリン・フェアリー(コステロ等を手掛けた)がブロデュースしたヴァージョンと、バンド活動中唯一のオリジナル・アルバム『シスターズ』(1984年)に収録されたボブ・アンドリュース(ブリンズレー・シュウォーツやグラハム・パーカー&ザ・ルーモアで活躍)と コリン・フェアリーによるプロデュースのアルバム・ヴァージョンがこれまでリリースされていた。

今回このコンピレーションの1曲目に収録されているデモ・ヴァージョンは、ビートを全面に出したシングル収録ヴァージョンともちょっと捻りを効かせて凝ったアレンジのアルバム・ヴァージョンとも違う、ハーモニカの絡みがR&B色を醸し出すナチュラルでラヴリーな仕上がりになっている。

ジャケット裏に“Please Note:No guitar tuners were used on these recordings.”とわざわざ記載があるのがユニーク。

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