Drop's「さらば青春」
Drop'sは去年(2013年)に友人から存在を教えてもらっていたけど、その時はミッシェル経由のブルースやっているなって印象はもったが特にCD買おうという気にはならなかった。先日たまたまDrop'sのヴォーカル/ギター・中野ミホを迎えてのラジオ番組をやっていて、そこで流れたのが「さらば青春」。一聴して気に入ってしまった。良い曲書くなぁ。その時にカップリングの曲「メトロ・ランデブー」も流れたがこちらも気に入った。中野のインタビューの受け答えも印象がよくて、何の質問か忘れたけど “ステージでは革ジャンなんか着てかっこつけてます”って答えていて、そういうのは大事だよな、と思ったり。ロックンロールは艶つけにゃあかん。インタビューでは「さらば青春」のミュージック・ヴィデオについての話もあり、冬の感じを出すため、たしか冷凍庫で撮影したと話していた。とても寒くて洋服の内側にホッカイロとか貼っていたけどギターを持つ手が震えて…みたいな内容を話していた。このヴィデオも良くできている。
「さらば青春」は中野が高校3年生の頃に作った曲だが、これまで録音されていなかった。少女から大人へ移り変わっていく姿を描き出したこの曲をリリースするのはこのタイミング(彼女たちは21歳だ)が最適だろう。ラジオで言っていたが曲が出来て、高校を卒業して、今改めてこの曲に対すると、作った時とは違う俯瞰した視点で向き合えることができたという。多くを語る歌詞ではないが、語られない部分に思いを馳せることもできる優れた内容だと思う。2014年のスローバラードと言える曲だ。今回のレコーディングにあたっては“何も言わず さらば青春よ~”のCメロの部分を加えて完成させた。この部分に卒業から今まで、そしてこれからの思いが込められている。
個人的には冬という季節があまり好きではないが、この曲を聴くとこれまで過ごしてきた冬の思い出の断片(たぶん楽しかったのだろう)がフラッシュバックされて、ちょっぴり冬という寒い季節が好きになった気がする。
カップリング収録は3曲。ギター荒谷朋美作曲のシャープなエッジのロックンロール「メトロ・ランデブー」はギターとキーボードのコンビネーションも最高だし、途中のドラムロールを挟み込んだところもキマってる。浅川マキのカヴァー「ちっちゃな時から」は原曲のリズムを残しつつうまくアレンジされている。こういう曲を演奏しても全然違和感がなく、懐の深さを感じさせる。トボケた感じの中野のヴォーカルもいい。「テキサスの雨」は中野がリフから作ったという曲。ロードムーヴィー的な映像を喚起するブルース・ナンバー。他のディスクも聴いてみたくなった。
「さらば青春」はMVの魅力も大きいので是非見て欲しい。