BRUCE SPRINGSTEEN & THE E STREET BAND「WAITIN' ON A SUNNY DAY」
2009年6月28日、ロンドン・ハイド・パークでおこなわれたコンサートをほぼ3時間にわたり収録した映像作品。クラッシュのパワフルなカヴァー「London Calling」で始まる、5万人を前にした圧巻のライヴ・パフォーマンス。明るい時間に行われたため、ずーっと見渡す限り人、人、人が埋め尽くしているのがわかる。すげー。
時間が経って暮れゆくトワイライト・タイムに演奏される「Jungleland」も最高の見どころだが、 コンサートのほぼ中盤に演奏された「Waitin' On A Sunny Day」も見せ場の一つだ。ギターを放り投げ(受け取る人は大変!)、観衆の目前へ飛び出しシンガロング。幼い子供にマイクを向け “Waitin' on a sunny day~”と歌を引き出すところが何とも微笑ましい。
9.11のあとリリースされたアルバム『ライジング』収録の楽曲で、内容は悲しい歌といっていいと思うが、こうしてオーディエンスとの距離を詰めていくパフォーマンスを見ると、歌の、ロックンロールのパワーを感じ取ることが出来る。
“待っている、太陽が輝く日を
雲を追い払い
待っている。太陽が輝く日を”
2001年から10年余り過ぎた。が、世界はまだ雲に覆われている。むしろ更に厚く覆われているような気がする。その世界でスプリングスティーンの歌は今も多くの人を勇気づけ、束の間、心の雲を追い払ってくれる。