GLIM SPANKY「MOVE OVER」
スズキの軽自動車ワゴンRスティングレーのCMを見たとき、水原希子の真っ赤なドレス姿に見惚れてはいたが、使われている音楽はジャニスだなぁと思っていた。ジャニス・ジョプリンのアルバム『パール』を購入したのはいつ頃だったろうか。1980年代の後半かな。ニュー・ウェイヴからルーツ・ロックやソウルなんかにも少しずつだが興味が出てきた時期だった。ソウルフルな「Cry Me」やアカペラで歌う「Mercedes Benz」なんかが好きだった。もちろんアルバムのトップでキャッチーなナンバー「Move Over」も。
スティングレーの宣伝を見てるうちに(ってテレビでしょっちゅう流れるわけじゃないが)これジャニスが歌ってるんじゃないな…と思うようになって、ネットで調べてみると、あーやっぱり違うんだ、日本人なんだ。ということでグリム・スパンキーに辿り着く。
グリム・スパンキーは松尾レミ(ヴォーカル)と亀本寛貴(ギター)の男女2人組ユニット。もとはベースとドラムを加えた4人組バンドだったようだが、2010年に2人組のユニットとなりサポート・メンバーを加えライヴ活動を続けている。音源としては自主制作盤を経て2014年6月にミニアルバム『焦燥』でメジャーデビュー。2014年11月に7インチ・アナログ「焦燥 c/w Move Over」をリリース。同年12月に「Move Over」を配信リリースした。
“私と付き合うの?私の愛を受け入れるの?はっきりしてよ!”って感じで、優柔不断な男に“消えちまいな”と啖呵を切った気っ風のいい歌詞をシャウトする松尾レミ。なるほどハスキーなジャニス的なヴォーカルだが、このカヴァーではジャニスよりシャープな印象。ヴォーカルとユニゾンでメロディを奏でるギターは原曲と同様だが、原曲でフューチャーされていたキーボード類は無し、その分ギターが活躍している。またドラムの音色やギター・ソロ以降のリズム、ベースフレーズなど現代のカヴァーならではの工夫がされている。トレブルが効いた好カヴァーだ。
CMのオンエアは終わっているのだろうか。
SUZUKI ワコンRスティングレー TVCM「15秒の誘惑」編
改めて聴いてみるとCMとヴァージョン違うな。