江口寿史著『江口寿史の正直日記』

2015年6月、河出書房新社刊。

江口寿史の漫画は「すすめ!!パイレーツ」から読んでた。「ひのまる劇場」、「ひばりくん」、「エイジ」、「エリカの星」くらいまでか。1980年代に出た単行本はほとんど買ってると思う。それらは幾度の引っ越しにも売られず、捨てられず、まだ我が家の段ボール箱に入っている(まぁ読み返すこともないんだけど)。

江口寿史の文庫が出ると知って本屋の漫画コーナーをぐるぐると探したけど無いので、 “正直日記”というからにはもしかして文章?と思って文庫コーナーを探したら、ありました。漫画じゃなかったんだ。1999年~2002年にかけて江口寿史のホームページで公開していた日記を収録。2005年に単行本として出版したものを一部改訂、追加収録で文庫化したもの。

年代が古い(もう10年以上前だ)ので、ソニーのアイボが出て売り切れとか、椎名林檎のデビューの頃とか、やや懐かしいモードなので、どうかなと思ったのだが、江口寿史の好きな音楽の話とかも載ってそうなので買って読んでみると面白い。江口寿史は追っかけて読まなくなってからイラストが主で漫画執筆はあまり書き込んだものじゃなく短編のみ、と思っていたけど、仕事は結構いれてるんだな、という印象。

でもこの頃はアシスタントを使わず、取材も念入りに、となるとやはり筆は遅くなり、締切は過ぎて…。この頃も落としてるんだ…連載。白いワニが出ていたころと変わらず…。徹夜、休み無しの執筆の苦悩、仕事が進まないながらも呼ばれれば酒を飲みに行く。確かに正直に書かれていて読んでる方もドキドキする。まぁ多少の誇張と調整はあるらしいが。これ落としちゃうんじゃないの?飲みいっちゃっていいの?週刊の連載引き受けて大丈夫?あーやっぱり…。作品のクオリティの追求は理解できるが、確かに山上たつひこもあきれるよなぁ…。恐るべし江口寿史、もはや職人。

他、医者に行ったとか、コンサートに行ったとか、ラーメン食いに行ったとか日常の記録、ほぼ実名で書かれていて楽しく読める。音楽的な話題もそこそこあったけど、2002年7月3日、7月18日の日記、正直だなぁ。

カフェ・ジャックス聴いてみるかな。

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