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7月, 2015の投稿を表示しています

Drop's「moderato」

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2015年7月22日、STANDING THERE, ROCKS/キングからリリースのアルバム『WINDOW』より。 部屋の窓や車窓から見えた風景、またはバンド自身が見せる(聴かせる)様々な窓としての楽曲。『WINDOW』と名付けられたDrop'sの3枚目となるフル・アルバムがリリースされた。 ジャケットはゼップの3枚目を意識したのかな、ジャケット下の円盤を回転させると、ジャケットのくり抜かれた幾つもの窓から色々な写真が見られるように加工された凝った作りのものだ。CD+DVD盤のDVDには、3曲のMVと2015年3月27日東京キネマ倶楽部でのライヴから3曲が収録されている。 1曲選んだのは作詞:中野ミホ、作曲:石橋わか乃(Key)による「moderato」。 キーボードの石橋が作っただけあってピアノとオルガンが活躍するが、イントロの荒谷の小刻みなギターカッティングからして小気味よいし、ベースラインも石橋が具体的に依頼したそうだ。ギター・ソロの入り方がヴォーカルのメロディとユニゾンで入るところもカッコいいし、その後のキーボード・ソロもドアーズみたいでいい感じ。終盤の歌詞 “何かつめたい飲み物をちょうだい 馬鹿みたいにきれいな色した 強いやつをね” ってところが決まってるなぁ。3分ちょっとの曲だけどソロの長さで長尺のエキサイティングなナンバーになるんじゃないかなっていう勝手な妄想も抱く。もうちょっと長く聴いていたい曲なんだな。 アルバムの他の曲を簡単に紹介。 アメリカン・ロックなイメージで勢いのある「NANANA FLAG」やメンバーの合いの手も珍しいんじゃないか「ローリン・バンドワゴン」はライヴで盛り上がりそう。ロカビリー調の「ホテル・カウントダウン」、アルバムからのリードトラックとしてMVが作られ、ストレンジな雰囲気を持ったハード・チューン「ハイウェイ・クラブ」、キャロル・キング(の「It's Too Late」あたり)に似た雰囲気を持った「三月のブルー」、Drop'sらしいロックンロール・チューンの「ビート」や「天使の雲」、冬と春にリリースされていたシングル表題曲の2曲「さらば青春」と「未来」、最後は鼻歌から作ったという「ベリーグッドモーニング」で、 “洗濯物の路地裏をくぐりぬけ 風を読んだら縦書きの坂道”という歌詞から中野ミホの東京に対す

60FT DOLLS「STAY」

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2014年に出るんじゃないかと言われていた60ft Dollsのデビュー・アルバム『The Big 3』の拡大盤。オンライン・ファンジンのGod is in the TVでのカール・ビヴァン(60ft Dollsのドラマー)のインタヴュー。 INTERVIEW:Carl Bevan 2015年7月に2枚組『The Big 3 Deluxe Expanded Edition』としてリリースされている。 60ft Dolls「Stay」、1996年。 アルバム『The Big 3』からのセカンド・シングル・カット・ナンバー。

THE WHEELER「FEELS LIKE SUMMER」

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2015年2月20日、Silva Screen Recordsより配信リリース。 NHK Eテレで毎週土曜日午前9時から放送しているテレビ・シリーズは現在第4シーズンを放送中だが、私がこのクレイアニメを見始めたのは第1シーズンの再放送だったと思う。 最初の頃の「ひつじのショーン」は牧場にひつじ達の黒くて丸い“ふん”が至る所にころころと転がっていて、変わった子供向け番組だなぁと思った。それにセリフが無いのでジェスチャーや表情だけで内容を理解するというのも面白い。動物達の鳴き声はあるけど、登場する人間(牧場主たち)も理解できるセリフは発しない。いつからか、ひつじ達の“ふん”は牧場から全く無くなった。今ではエンディング・クレジットの流れる映像で見ることが出来るだけだ。その「ひつじのショーン」が映画になった。 タイトルは『Shaun the Sheep The Movie(邦題:ひつじのショーン~バック・トゥ・ザ・ホーム~)』。もともとは同じアードマン・アニメーションズが1995年に制作した他の映画の脇役として登場したショーンが、2007年に1話7分のテレビ・シリーズとして放送が始まり、誕生20周年の2015年に大スクリーンの主役となったわけだ。85分の長編映画となってもセリフは無し。これがいい。セリフが無い分、話の内容が大げさだろうが 泣ける部分があろうが嫌味に感じない。起伏のあるストーリーが丁度いいんだ。話の内容は子供向けなんだけどこのハッピーな感じ、好きだなぁ。あ、田舎で暮らしているショーンたちが大都会で冒険する話ね。まぁ子供に混じって観るのは多少気がひけたけどね…。 で、映画の中でも重要な、というかノスタルジックな意味づけもある主題歌がティム・ウィーラーの「Feels Like Summer」。ティムはAshのヴォーカル・ギタリストである。Ash…ブリット・ポップ・ムーブメントといわれた1990年代中盤、そのバンド名は頻繁に目にした。私の贔屓にしている60FT DOLLSが収録されているコンピにAshの曲が収録されているものもあった。 ティム・ウィーラー、元カイザー・チーフスのニック・ホジソン、イギリスの作曲家イラン・エシュケリによって書かれた3分間の甘酸っぱいブリット・ポップなナンバー。ビーチ・ボーイズ・テイストも感じるサマー・ソング。   「Feels Like

小山卓治「ハヤブサよ」

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2015年5月30日、Blaze/Ribbonからリリースのシングル(CD-R)。 小山卓治のCDを買ったのは久しぶりだなぁ。 一番最初の自主シングルはともかく、1980年代にリリースされたディスクはシングル、アルバムとも全部揃ってる。1990年代からは買っては手放しって感じで、インディになってからは買う事もなくなってしまったんだけど(まぁ、その辺で売ってなかったしね)。80年代、日本のスプリングスティーン・フォロワーの一人としても紹介されていたが、甘すぎず、一番リアリティがあるというか、紡ぎだす物語がファンタジーじゃなく、絵空事にすぎない感じがしたものだ。 …だけどストーリー仕立ての楽曲は初めのうち “これを歌にするとは” という驚きがあって新鮮だが、何度も聴いているうちに、あまりに具体的すぎるストーリー性が仇になって聴かなくなってしまう。物語の結末を知っている訳だからね…。でも本当にいい曲は耐性を持っていて、発表されて数年後に聴き直してみると、あぁやっぱりいいな、と感じるものだし、自分が歳をとってから聴いて受ける新たな印象というのもある。私が小山卓治の1980年代のディスクを手放さないのは、聴きたい時が必ずあったし、これからも来るからだと思う。 いつからか白浜久のブログを読むようになった。 2014年11月15日に南相馬で小山卓治と白浜久のライヴがあり、この2人が一緒にライヴをするというのも意外だったのだが、白浜久のブログに載っていた、その道行きも興味深いものだった。南相馬へ向かうにつれて高くなっていく放射線量、地震に破壊されたままの風景、除染土を入れた袋が積み上げられ変わり果てた風景、宿舎にした仮設の集会所、ライヴ終了後打ち上げの事などが写真と共に綴られていた。ライヴ2日後のブログにはこう書かれいる。  “今回の福島訪問で感じたこと  小山氏が呟いた「この現状を伝える言葉を僕は持っていない」  これに尽きる” 小山卓治のFacebook、2015年4月21日付けには、こう書かれていた。  “新曲〈ハヤブサよ〉は、福島県南相馬でライヴをやったことがきっかけで生まれた。  (中略)  その時に目の当たりにした現実を誰かに伝える言葉を、僕は持てなかった。  被災地の人たちが体験したことを、僕は想像でしか感じることができなかった。  この現実を伝えるのは、ジャーナリズ