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『CROSSBEAT Special Edition 増補改訂版 デヴィッド・ボウイ』

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2016年2月、シンコーミュージック刊。 2013年にシンコーミュージックが刊行したムック『CROSSBEAT Special Edition デヴィッド・ボウイ』をもとに、遺作となってしまった新作アルバム『★』の内容や亡くなった直後の情報、 追悼コメント、追悼文などを追加、2016年迄のボウイの辿った歩みを網羅し増補改訂版として緊急出版。 シンコーミュージックが発行していた、今はなき“ミュージック・ライフ”、“クロスビート”といった音楽雑誌の財産が活かされ、ボウイの73年初来日時のインタビューや写真(黒柳徹子と写るボウイ!)、78年、83年の来日時のインタビューを交えたボウイ・ヒストリーは読み応えあり。通算7回のボウイ・ライヴ・イン・ジャパンの記事も日程や、どの日のものかわからないがセットリストも記載され興味深い。大きめのジャケ写を使ったオリジナルアルバムのディスコグラフィ、その他ライヴ盤やビデオ作品なども紹介、関係者名鑑など、全216ページ。 ボウイが日本に滞在中、P-MODELやノー・コメンツをライヴ・ハウス(サーカスサーカスや拾得)へ見に行ってたとは驚き。平沢進がボウイに対してとった行動も意外なものだった…。 そんなミュージシャン達のコメントや、このムックを作った音楽ライター達それぞれのボウイとの思い出、ボウイからの影響、ボウイの作品やライヴに対する姿勢、ボウイへの感謝が表れた心からの追悼文が胸に沁みる。 2003年のインタビューでは、ボウイが“Changing horses midstream"と自己の性格を表現していたり、 “僕等は音楽に関してはジェネレーション・ギャップが一切存在しない初めての世代” と若い世代の音楽的な魅力に理解をし続けていたボウイならではの世代分析も興味深いものだ。

BAUHAUS「ZIGGY STARDUST」

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やはりボウイのカヴァーというとバウハウスだろう。1982年リリースのシングル。 たぶん少したってからテレビでプロモ・ヴィデオを見たのが最初と思う。ボウイのオリジナルよりこっちを先に聴いたかも。で、ここからデイヴィッド・ボウイへ辿って行ったと。バウハウスのヴァージョンはオリジナルに忠実なアレンジだけど、独特なピーター・マーフィーの声質と鋭利なサウンドでこの有名曲をバウハウスのものにするのに成功している。ボウイ愛にあふれているね。このプロモ・ヴィデオもダークな感じでかっこいい。 バウハウスのトレードマークの顔に(アラジン・セインの)稲妻を重ねたジャケのシングル。 私の持っているレコードは12インチでブライアン・イーノのカヴァー「Third Uncle」(7インチのB面収録曲)、オリジナルの「Party of The First Part」の他、ニコをゲスト・ヴォーカルに迎えたヴェルヴェッツの「Waiting For My Man」のライヴ・ヴァージョンを収録している。

『rockin'on 2016年3月号 追悼特集 デヴィッド・ボウイ 1947-2016』

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2016年2月、rockin'on社刊。 ロッキンオンでデヴィッド・ボウイの追悼特集。ついつい買ってしまう。表紙(フォトby鋤田正義)につられて。フォト多し。日本家屋の前でのボウイや阪急電車(?)の前のボウイ…うーんエイリアンな雰囲気。今年の誕生日(死の2日前)に写したというジミー・キングによるボウイのおどけた表情のフォトに強い生命力を感じるなぁ。 ロッキンオンがおこなったインタビューを2003年、2002年、1997年、1978年と4本再掲載。どれも面白いが1978年来日時のインタビューで、日本で歌う時の言葉の障害について聞かれ、 “言葉は日本に限らず総体的に障害になっています。言葉はコミュニケーションにおける最も不明瞭な方法です”って答えてるのが、さすがだなぁと。世界的なシンガー/パフォーマーは違う。 1997年のインタビューでは“僕のアイディアに相応しい服を着せるのが僕の音楽なんだ”というのが納得のチェンジズ・ボウイ。他は評論家・ライターが語るボウイ音楽との出会い、その影響力について。渋谷陽一が語るラスト・アルバム『★』。まぁロッキンオンなのでオリジナル・アルバム・ディスコグラフィは軽くジャケ写のみ。47ページの特集。 オヤジ達が買うのを見越してか、他には70年後半を振り返るストーンズのインタビュー。 それにルー・リードのアルバム『ベルリン』再現ライヴ時の2006年インタビュー。丁々発止なやりとりでルーのさまざま表現方法からドラッグ、替え玉コンサートについてまで語られた読み応えのあるインタビューだ。 オアシスのノエル・ギャラガー1997年のインタビュー。頂点に上り詰めた時の傲慢とも思える内容だが、以前このページでも紹介した「Don't Look Back In Anger」の歌詞 “Don't put your life in the hands of a rock and roll band”  のノエル自身の解説があって興味深い。このフレーズは気が利いたいい歌詞だよ、本当に。あぁオアシスもボウイの「ヒーローズ」カヴァーしてたっけ。シングル「D'You Know What I Mean?」のカップリングか。確か持ってたな、聴いてみるか。

『レコード・コレクターズ2016年3月号 追悼特集 デイヴィッド・ボウイ』

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2016年2月、ミュージック・マガジン社刊。 レコード・コレクターズでデイヴィッド・ボウイの追悼特集。 基本のオリジナル・アルバム・ディスコグラフィ、日本のミュージシャンや音楽評論家によるボウイ私の一枚、ニュー・ミュージック・マガジンの1979年2月号に掲載されていたボウイと坂本龍一の対談の再掲載、鋤田正義のフォトメモリー(73年と78年の日本のステージ写真が特にいい!)など、約70ページの特集。 個人的には日本盤7インチがカラーで掲載されているのが見どころだった。 表紙の神秘的な表情のボウイは、デッカがジャケットを差し替えて1973年に再リリースしたコンピ『The World of David Bowie』のジャケットで使われた写真。そういえば映画『クリスチーネ・F』で主人公がボウイのレコード(『ChangesOneBowie』)をプレゼントされるものの、 “これ持ってるし.…”という感じでレコードをしまうシーンでチラリと『The World of David Bowie』が映っていた。一度見ると忘れられない印象的なジャケットだった。 ミュージック・マガジンからは過去のレココレやミュージック・マガジンの記事を集めた追悼増刊号も3月に出版される予定。

『ユリイカ 2016年2月臨時増刊号 総特集 江口寿史』

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2016年1月、新潮社刊。 雑誌『ユリイカ』で江口寿史をまるまる1冊取り上げた増刊号が発売された。 江口漫画がどんな文章で解析されているか興味あって購入したが、「ちばてつや×江口寿史の対談」、「集英社歴代担当編集者の座談会」、「江口寿史・音楽と漫画を語る・インタビュー」は川崎や明大で開催されていた展覧会関連で行われたイベントを掲載したもの。ちばてつやとの対談は江口のルーツと漫画に対する姿勢を、編集者座談会は漫画雑誌編集の裏側を、江口へのインタビューはエンケン、拓郎、DEVO、XTC、ムーンライダーズ、ユーミン、佐野元春、アイドルまで名前が挙がる音楽遍歴を知ることが出来る。コマ割りから視線の動き、セリフの読ませ方などコミュニケーション論でアカデミックに分析したものから、同業者の愛あるリスペクト文、リスペクト・イラスト、山上たつひことの往復FAX書簡、お約束の江口漫画年表など、ボリュームたっぷりの内容。 多くの評者が江口の手法について、江口自身の興味があるものを漫画を通して紹介するDJ的、自身の好きなものを取り込むサンプリング的、またそれらを自身の表現として再構成するリミックス的な手法の先駆けと位置付ける。 これらの評価はなるほどと思わせるものだが、日本の漫画文化が手塚治虫から綿々と続いている先人たちの真似(リスペクトというんじゃなくコピー表現、江口の場合その端緒はちばてつや)をすることによって磨かれていった表現でもあることが言えると思う。2015年にNHK Eテレで放送された『浦沢直樹の満勉』を見ていても思ったが、自分が先人達が描いた漫画からの影響を隠そうとしない、それを指摘されても否定しない、真似から始めた事をなんの衒いもなく言い切ることが潔かった。真似て真似て描き続け、消化し、自らの骨肉化し、やがて作者独自の表現へ、さらに洗練されたオリジナルな表現へ。江口に限らず多くの優れた漫画家が辿る道筋じゃないのかな。このあたりパクリ論争が喧しい音楽・楽曲関係とは読者・受け手の意識(その文化に対する歴史観・ルーツ意識かな)が違うんだろう。 個人的にはバンド・デシネ(フランス語圏の漫画)からの影響を考察した原正人「江口寿史とバンド・デシネ」も面白かった。 それにしてもパイレーツの “人はわしを畑のパンクロッカーと呼ぶだよ”♪あ けんけんのぉ♪さていすふぁくしおん♪ あけちゃ♪あ