My Wandering MUSIC History Vol.72 THE ROLLING STONES『GOT LIVE IF YOU WANT IT!』
1965年にイギリスでリリースされたローリング・ストーンズ3枚目のEP。
ストーンズが1965年3月におこなったイギリス・ツアーからのライヴ・パフォーマンスを収録している。同名タイトルのライヴ・アルバムが1966年にリリースされているが、そちらは1966年9月~10月のイギリス・ツアーからの音源を収録したものだ(一部疑似ライヴ)。
私が聴いたのは1982年にリイシューされた12インチ盤でKBちゃんに借りたと思う。収録時間が少ないのでなにかと一緒にカセットテープに録音したと思うが、カセットテープも結構処分したからたぶん残って無いだろう。で、聴きたくなってiTunesストアを見ると、あるじゃないか。まぁ配信の音はいまいちだが、手軽に聴けるしっていうんで購入。
1曲目の「We Want The Stones」は曲じゃなくてストーンズを求めるオーディエンスの歓声が13秒ほど。少し前に紹介した石井聰亙監督の映画『爆裂都市 バーストシティ』のサントラ盤で「セルナンバー8」の冒頭、オーディエンスの“We Want Battle!”という掛け声が入っているが、このストーンズのEPを聴いて、あーこれに影響されたんかいな、という気がするほど雰囲気が似ている。ついでに書くとバトルロッカーズがステージに出ていくところで、ビートルズのポスターを踏みつけていくシーンがあってストーンズも同様にしたかったらしいがポスターを持ってなかったから出来なかったと、石井監督が語っていたのをどこかで読んだような。
「We Want The Stones」の後、ソロモン・バークのカヴァー「Everybody Needs Somebody To Love」は殆どサビ部分のみ40秒ほどで終了し、メドレーでナオミ・ネヴィル(アラン・トゥーサン)作のオーティス・レディングで有名なソウル・ナンバー「Pain In My Heart」。続いて今やロッキン・スタンダード「Route 66」でアナログはA面終了。
アナログではB面に移りハンク・スノウのカヴァーでスライドギターとブルースハープが唸る「I'm Movin' On」。このEPのハイライト・ナンバーといえる。ラストはナンカー・フェルジ(ストーンズの5人共作)名義だがボ・ディドリーの「I'm Alright」と、要するにすべてカヴァー曲。だが熱の入ったライヴがコンパクトに楽しめる好盤だ。
このEPは数曲がアメリカ版『アウト・オブ・アワー・ヘッズ』やアメリカ版『ディッセンバーズ・チルドレン』といったアルバムで聴けたが、最近では全曲がボックスセット『シングルズ1963-1965』に収録されている。