サンハウス「GOT MY MOJO WORKIN'」
マディ・ウォーターズ生誕100年(マディの誕生年は1915年とされているが1913年誕生説もある) を祝って2015年9月12日に下北沢ガーデンでおこなわれたライヴからサンハウスのライヴがCD化された。菊、鮎川、奈良、浦田という(1983年『クレイジーダイアモンド』録音と同じ)メンツだ。サンハウスが当日演奏した全15曲、「キングスネークブルース」や「レモンティー」などサンハウスの7曲に、マディのカヴァーが8曲、それにスタジオアウトテイク2曲をプラスして17曲が収録されている。
アルバム・タイトルにもなっている「タイガーインユアタンク」はマディ・ウォーターズが1960年に発表した曲でウィリー・ディクソン作。柴山俊之による日本語詞で歌われているが、ブルースライオンの2001年リリースのアルバム『X-01』でも録音されてい(作詞・柴山、作曲・ブルースライオン名義で大分アレンジは違うけどね…)。
「Got My Mojo Workin'」は当日ライヴでのラストナンバーで、パンタ・バンドで長く活躍していた中山努がピアノ、永井“ホトケ”隆がボーカルとギターでゲスト参加している。スピード感のある奈良&浦田のリズム隊に鮎川のぶっといギターの音色をのせた演奏はドライヴ感抜群。中山のピアノもファンキーに絡み、永井ホトケのギターソロもフューチャーされている。この曲は日本語詞ではなく英語で歌われている。「Got My Mojo Workin'」はマディ・ウォーターズ作(本名のマッキンリー・モーガンフィールド名義)だが、原曲があってアン・コール&サバ―バンズによってリリースされた「Got My Mo-Jo Working」(プレストン・フォスター作)。アンの「Got My Mo-Jo Working」はヴ―ドゥーなアイテムが数多く登場する歌詞で、マディのとはかなり違うところがあるが訴訟となったようだ。まぁそのあたりもあるのかもしれないが、このアルバム、ジャケ記載と歌詞カード記載の作詞・作曲クレジットがなんか適当な感じ…。
下北沢ガーデンのライヴは“BLUES BABY ROCK AND ROLL”というタイトルもつけられていた。もちろんマディの曲「The Blues Had A Baby They Named It Rock And Roll」に由来するものだ(このアルバムにも最後にアウトテイクとして収録されている)。
ブルースには子供がいる、彼らはその子供をロックンロールと名付けた。それを体感させてくれるのにサンハウスはもっとも相応しいバンドのひとつといえるだろう。
ブルースには子供がいる、彼らはその子供をロックンロールと名付けた。それを体感させてくれるのにサンハウスはもっとも相応しいバンドのひとつといえるだろう。