TH eROCKERS「シャープシューズでケリ上げろ!」
これまでアルバム未収録だった「黒い眼をしてU.S.A.」と「シャープシューズでケリ上げろ!」が今回リイシューされたロッカーズのセカンド・アルバム『COME ON』にボーナストラックとして収録された。
ザ・ロッカーズの7インチ・シングルリリースは3枚。ファーストアルバムのリリース後、1980年11月にリリースされた1枚目のシングルは「黒い眼をしてU.S.A. c/w ショックゲーム」。A面の「黒い眼をしてU.S.A.」は作詞/陣内孝則、作曲/陣内孝則・チャック・ベリーとクレジットがある通り、チャック・ベリーの曲「Sweet Little Sixteen」に日本人の盲目的なアメリカ好きを揶揄した陣内作の日本語詞をのせたロックンロール・ナンバー。スピード感のあるアレンジでイントロやコーラスなどロッカーズ流に工夫されている。
この歌詞の内容でファーストシングル・リリースっていうのは個人的にはどうなんだろうと思うが、まぁロッカーズとしては気合入っていたんだろう。日本語詞の洋楽カヴァーといえばロッカーズのラストアルバム『ハンキー・パンキー』も同趣向(作詞はバンド外に依頼)だったので、今にして思えばなんだか妙な繋がりを感じる。
B面は陣内/谷作の「ショックゲーム」で『WHO TH eROCKERS』に収録されている。
2枚目のシングルは1981年2月リリースの「プライベートタイム c/w シャープシューズでケリ上げろ!」。 A面の「プライベートタイム」はバディ・ホリー的なノリの陣内作。歌詞の内容は「黒い眼をして~」に似たアングリ―なムード。翌月リリースされたセカンド・アルバム『COME ON』に収録されている。
B面の「シャープシューズでケリ上げろ!」は作詞/陣内孝則、作曲/谷信雄でレコードデビュー前からステージでは演奏されていたようだ。うねるベースとキレたギターのカッティングが絡み合う重心の低い演奏と陣内のハイなヴォーカルが魅力的なナンバーで個人的に好きな曲。『爆裂都市・バースト・シティ』サントラ盤に映画の効果音が被りエディットされたヴァージョンが収録されていたが、完全な楽曲として収録されていたのはシングル盤のみだった。
今回めでたく「黒い眼をしてU.S.A.」と「シャープシューズでケリ上げろ!」 が初CD化となったわけだがオリジナル・リリースから35年~36年振りというのは長すぎだよ…。
陣内著『アメージング・グレース』によればファースト・アルバムリリースが9月、その年の12月にはセカンド・アルバムのレコーディングが始まるタイトなスケジュール。ファースト・アルバムで使い切って曲のストックが殆ど無く、曲作りには苦労したようだ。