DNA「YOU & YOU」
No Waveシーンを代表するバンドのひとつDNAが残した7インチ「You & You」、EP「A TASTE OF DNA」、コンピ『No New York』収録曲などのスタジオ音源や初期のライヴ(1978年7月CBGB)等、32曲を詰め込んだコンピCD。
DNAはアート・リンゼイ(Vo&G)、ロビン・クラッチフィールド(Key)、イクエ・モリ(Ds)がメンバー。イクエ・モリは(フリクション結成以前の)レックと渡米していたがアート・リンゼイに誘われドラム初心者ながらバンドに参加した。この3人で活動していたのはコンピ『No New York』レコーディングの頃までで、その後ロビン・クラッチフィールドが脱退、ペル・ウブにいたティム・ライトがベーシストとして加わり、EP「A TASTE OF DNA」をリリースする。
「You & You」はDNAが最初にリリースしたシングルのA面曲。リチャード・ヘルやルー・リードのバンドでギタリストとして活躍したことで知られるロバート・クワイン(Bob Quine名義) のプロデュースで1978年Medical Recordsより「You & You c/w Little Ants」としてリリースされた。クラッチフィールドのキーボードとモリのドラムが作り出すリズミカルかつ単調、時に乱調な音空間に破壊的に斬り込むアート・リンゼイのギターとシャウト。アート・リンゼイのギターがチューニングしていないというのは本当だろうか。まぁチューニングしてあっても奏法は変わらないと思うが、出る音は違うだろうな。ノイズ…?このギター・サウンドは、まるで音が空気と触れ合って火花を散らす、そんなカガヤキを放っている。B面曲の「Little Ants」は実験的な曲。
熊谷朋哉のHPにイクエ・モリのインタビューがありDNAの事にも触れている。
NYに行ってみたらいきなりDNAだったの イクエ・モリ・インタヴュー
2008年には2枚組アナログ盤が限定リリース。37曲入り、アナログ盤にはなんとゼップの「Whole Lotta Love」のカヴァーが収録されている。うぅ欲しい…。