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My Wandering MUSIC History Vol.76 THE ROOSTERS『ニュールンベルグでささやいて』

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1982年11月21日 Shan-Shan/日本コロムビアよりリリース。 現在では12インチ・シングルという扱いのザ・ルースターズ通算4枚目の作品集。まぁ45回転・4曲入りの12インチ・ミニアルバムという扱いもあると思う。 『ニュールンベルグでささやいて』については こちら(2004年5月の古い記事だけど)でも書いたので、ちょっとだけ補足的に紹介。 当時発行されていた首都圏の情報誌「シティーロード」の1983年3月号“読者選出 ベストテン'82”では、1982年に発売された国内ミュージシャンの中でのベスト・アルバムを選出するベスト・アルバム国内盤部門で『ニュールンベルグでささやいて』は第2位だった。42位まで掲載されているが、ベスト5は、 1.『ヌードマン』サザンオールスターズ(2026点) 2.『ニュールンベルグでささやいて』ザ・ルースターズ(1503点) 3.『バリエーション』中森明菜(1264点) 4.『FOR YOU』山下達郎(1020点) 5.『寒水魚』中島みゆき(1004点) という結果。確か年末あたりの号に応募はがきが付属していて、その年のベスト映画、ベストコンサート、ベストレコード等を書いて送る形式だったと思う。どういう得点方式だったか思い出せないが、カッコ内は獲得点数。 また、1982年最も活躍が印象に残った日本のミュージシャン及びグループを選出する、イキイキ・ミュージシャンという部門もあって、ザ・ルースターズは第4位だった。62位まで掲載されているが、ベスト5は、 1.中森明菜(2251点) 2.サザンオールスターズ(2090点) 3.佐野元春(1855点) 4.ザ・ルースターズ(1531点) 5.高橋幸宏(1308点) という結果。同じ首都圏の情報誌「ぴあ」と比べて批評性にやや重きを置いていた「シティーロード」だが、他の選出されたアーティスト・バンドの顔ぶれ、アルバムを見ても、多くの読者にルースターズとその音楽性が支持され、人気拡大の可能性があったのかが分かる結果だと思う。 『ニュールンベルグでささやいて』をリリースしたShan-Shan(シャン・シャン)というレーベルは、日本コロムビアが45回転・30cm・価格1500円(2枚組は3000円)のシリーズとして始めたもので 1982年10月21日に“それ行け速いレコード”をキャッチフレー

PATTI SMITH「A HARD RAIN'S A-GONNA FALL (CEREMONIA NOBEL 2016)」

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ノーベル賞授賞式でパティ・スミスによる「はげしい雨が降る」のパフォーマンス。 かつてニューヨーク・パンクの女王と呼ばれ、ロックンロール・ウォーリアーなイメージのパティだが、ノーベル文学賞の授賞式、ディランの代役となれば、やはり勝手が違い、非常にナーバスになったあまり歌い直すのが、かえってこのノーベル文学賞という賞の重みが解るというものだ。 ディラン~~ルー・リード~パティ・スミスへとニューヨークの表現者のコアな部分は受け継がれてきた様に思う。ディランの歌をパティが歌うというのも相応しく、このディラン受賞の理解を助けるものになっているかも。 But I'll know my song well before I start singin' And it's a hard, it's a hard, it's a hard, it's a hard It's a hard rain's a-gonna fall WIREDのHP内 insight ボブ・ディランの「新しくない」という新しさ─中川五郎が「ディランの文学」に学んだこと “それにもともと、物語や感情というのは、紙に書かれる前は口承で伝わっていたわけです。ディランがノーベル文学賞に選ばれたことによって、そうした原始的な、いちばん最初の詩的表現の力というのが、もう一度認められたのだと考えています” 

My Wandering MUSIC History Vol.75 THE STALIN『STOP JAP』

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1982年7月1日 クライマックス/徳間音工よりリリースのアルバム。 ザ・スターリンのメジャーデビュー・アルバム。 インディでのEP『スターリニズム』やアルバム『トラッシュ』は借りて聴いた気がするが、当時スターリンは放尿、臓物投げなどの過激パフォーマンスの話題が先行しており、それほど身を入れて聴いてなかったなぁ…。この時期じゃがたらも流血などの過激パフォーマンスが話題になっていて、私が両バンドともこのあたりの音源に興味を持つのはずっと後になってからだ。 イギリスやアメリカの初期パンク、東京ロッカーズ、九州勢のルースターズ等と聴いてきて、 この頃にはイギリス・ニューウェイヴへ興味が急速に傾きだした頃。ピストルズ・スタイルのパンク・サウンドのザ・スターリンは逆戻り感があったことは確かなのだが(なにしろピストルズ実質解散から4年以上たってるからね)、黒地に日の丸、黄色い矢印付Sのジャケットも鮮烈な印象を残す『ストップ・ジャップ』はよく聴いた。 オープニングナンバーはアルバムと同日にシングルとしてもリリースされた「ロマンチスト」。インディの『トラッシュ』に収録されていた「主義者(イスト)」の再録で歌詞が追加されている。「STOP JAP」、「極楽トンボ」、「下水道のペテン師」は次作へ通じるハードなパンク・ナンバー。EP『スターリニズム』から「コルホーズの玉ネギ畑」の再録「玉ネギ畑」、別ミックスがシングル「アレルギー」として翌月リリースされた「アレルギーα」、性急な演奏と激しい言葉を叫ぶミチロウのラヴ・ソング「欲情」、もろピストルズな「MONEY」までアナログではA面に9曲が収録されている。 個人的にはB面のマイナーコードを使ったややウェットな印象の「STOP GIRL」~一転してドライな「爆裂(バースト)ヘッド」~ ギター・カッティングがカッコいい「MISER」の流れが好きだった、というか今も好き。ハード・コアな「負け犬」、抑えたヴォーカルの「アレルギーβ」、インディの『トラッシュ』ではライヴ・ヴァージョンが収録されていた「メシ喰わせろ!」はタイトルを「ワルシャワの幻想」として再録してアルバムは終了。 メジャーデビュー後、ミチロウは “サウンドのオリジナリティはどうでもいい”というような事を言っていたが、ドアーズ、イギー・ポップ、パティスミス・グループ、コントーションズ、ピ