ORCHESTRAL MANOEUVRES IN THE DARK「OF ALL THE THINGS WE'VE MADE」

2000年、Virginよりリリースのアルバム『PEEL SESSION 1979-1983』より。

オーケストラル・マヌーヴァーズ・イン・ザ・ダーク (OMD)といえば大江慎也がアルバム『ぺキュリア』(1989年)リリースにあわせたツアーでOMDの「Electricity」を演奏、その時期と思われる「Electricity」のライヴ・ヴァージョンを日本コロムビアが大江のソロアルバム『BLOOD』を1991年にリイシューした際にボーナス・トラック収録、 と、そんなところからOMDの「Electricity」や初期ヒット曲「Enola Gay」のシングル盤なんかは購入していたんだが、それ以外は聴いたことがなかった。

少し前に紹介した、1984『逆噴射家族フィルムサウンドダイジェスト』のラストに収録されていた「新しい生活~レクイエム(Requiem)ラストテーマ」、または、1984がリリースしたカセット収録の「Walkin' In The Space」やアルバム『Birth of Gel』収録の「Space 1999」、この曲がOMDの「Of All The Things We've Made」から影響を受けて作られたらしいというのを聞いたのはいつ頃だったか…。で、たまたま中古で見つけた「Of All The Things We've Made」が収録されているこの『PEEL SESSION 1979-1983』を購入した。

『PEEL SESSION 1979-1983』は、OMDが4回のBBCピールセッションで録音・放送した楽曲を集めたアルバムで、下記の日付に録音されている。
1979年8月20日
1980年4月14日
1980年9月29日
1983年1月29日
1回目のセッションは、まだファースト・アルバム・リリース前の録音で、後にファースト・アルバムに収録される4曲が演奏されている。1980年2月ファースト・アルバム・リリース後に録音された2回目のセッションでは、ファースト・アルバムから2曲(「Pretending To See The Future」が「Pretending To See The Light」と表記されている)、1980年9月にリリースされるシングル曲「Enola Gay」、 1980年10月リリースのセカンド・アルバム『オーガニゼーション』に収録される「Motion And Heart」が演奏された。

3回目のセッションでは、シングル「Enola Gay」のB面曲「Annex」、セカンド・アルバムからはカヴァー「The More I See You」(クリス・モンテス等で有名なスタンダードナンバー)を含む2曲を演奏している。4回目のセッションでは、1983年2月にリリースされるシングル曲「Genetic Engineering」、1983年3月リリースの4枚目のアルバム『ダズル・シップス』から2曲が演奏された。なお、この4回目のセッションで演奏された(放送もされている)「Bunkers Soldiers」はアルバム『PEEL SESSION 1979-1983』に収録されなかった。

4回目のピールセッションのなかで演奏されていたのが「Of All The Things We've Made」。
4枚目のアルバム『ダズル・シップス』のラストナンバーだが、1982年1月に12インチ・シングル「Maid of Orleans (The Waltz Joan of Arc)」のB面曲としてリリースされていた。
刻まれるギター・ストロークと打ち付けるパーカッションの単調な繰り返し。そのリズムに低くシンセサイザーが響き、雨音のように儚いキーボードのメロディが紡がれ、未来から現代を振り返ったような不思議な歌詞が歌われる。ひとつひとつの音色が美しく、繊細で静謐だがエモーショナルな楽曲だ。

1984が発表した「Walkin' In The Space」(「新しい生活〜』や「Space 1999」)は、OMDの「Of All The Things We've Made」とともに、人の声をサンプリングしたところはローリー・アンダーソンの「O Superman」(シングルは1981年10月リリース)に影響を受けて作られたと聞く。

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