ECHO & THE BUNNYMEN『THE JOHN PEEL SESSION 1979-1983』

2019年10月、WEAよりリリースのアルバム。

Echo & The Bunnymenが1979年から1983年にかけてBBCピール・セッションで録音・放送した楽曲を集めたアルバムがリリースされた。

当初9月にリリースのアナウンスがあったが、日本では10月になって販売が始まったようだ。
収録されている演奏が録音された日付は、
[1] 1979年8月15日
[2] 1980年5月13日
[3] 1980年11月4日
[4] 1982年1月27日
[5] 1983年6月6日
[6] 1983年9月19日
の6回で、[1]、[3]、[6]のセッションは4曲、他のセッションは3曲、計21曲が収録されている。

これまでにも[1]のセッションの4曲はStrange Fruitからアナログ盤やCDがリリースされていたし、 [1]のセッションからの「Villiers Terrace」はオムニバス・アルバム『To The Shores of Lake Placid』や4枚組ボックスセット『Crystal Days 1979-1999』に収録。 [4]のセッションの「No Hands」と[6]のセッションの「Watch Out Below」も4枚組ボックスセット『Crystal Days 1979-1999』に収録されていた。 
1997年にリリースされたバニーメン復活作『Evergreen』の限定盤に、10曲入りの “ History of The Peel Sessions 1979-1997 ”と題されたボーナスディスクが付属していたことがあるが、バニーメンの最初期から成功を手に入れる1983年までにおこなわれたピール・セッションの演奏全6回がまとまってリリースされるのは初めてのことだ。

1回目のセッションは、Zoo Recordからファーストシングルをリリースしたばかりの初期のもので、イアン、ウィル、レスの3人に、ドラムマシンを使用して演奏されている。「I Bagsy Yours」は「Monkeys」の初期ヴァージョン。

2回目のセッションはドラムにピートが参加後の録音で、ファーストアルバム『クロコダイルズ』リリース直前、同アルバムから2曲、後にライヴEP『Shine So Hard』やセカンドアルバムに収録される「Over The Wall」も演奏している。

3回目のセッションはリリースの約半年前だがセカンド・アルバム『ヘヴン・アップ・ヒア』収録曲の演奏。「That Golden Smile」は後の「Show of Strength」。
4回目のセッションは後にシングルリリースされる曲「The Back of Love」の初期ヴァージョン「Taking Adventure」や、後にサードアルバム収録曲「Higher Hell」となる「An Equation」が演奏されている。他に「No Hands」が演奏された。

5回目と6回目のセッションは4枚目のアルバム『オーシャン・レイン』リリースのだいぶ前だが同アルバムに収録される曲が演奏されており、なかでもアルバムタイトル曲でアルバムでは静謐なアレンジになっている「Ocean Rain」のシンプルなバンド・ヴァージョンは聴き物。「Watch Out Below」は「The Yo-Yo Man」の初期ヴァージョン。

『The John Peel Sessions 1979-1983』のブックレットには、
“ ピール・セッションの録音はバンドのソングライティング・スキルを発展させると同時に自信を与えてくれた。ビル・ドラモンド(バニーメンのマネージャー)はピール・セッションの手配をすることによって締め切りを作り、新曲をまとめるようバンドをけしかけたんだ。上手くいったよ。初期のバニーメンの歌はそんなふうに生まれたんだ。” といった内容のウィル・サージェントによるコメントが掲載されている。まさにそれを実感できるアルバムだ。

このブログの人気の投稿

TH eROCKERS「可愛いあの娘」

NICO『LIVE IN DENMARK』

ザ・ルースターズ「PLAYLIST from ARTISTS」