追悼・南正人

南正人逝く。

南正人の曲を聴いたのは『第4回全日本フォーク・ジャンボリー1989』のCDに収録されていた、「スタート・アゲイン」が初めだったろうか。その後どこかの中古レコード屋でアナログ盤『南正人』(オリジナルリリース1973年)のジャケットを見て、これは買わなきゃいかんな、というある意味ジャケ買いであった(右上のジャケ写)。私が買ったのは1980年の再発盤だが、キャラメルママの演奏に、迫力と繊細さを兼ね備えた南正人の歌声、スワンプな味わいのある名盤だった。

それから『回帰線』(オリジナルリリース1971年)のCDを入手。こちらの演奏もリズム隊は細野+林立夫で1曲目の「Train Blue」のかっこよさに痺れた。リリカルな「夜をくぐり抜けるまで」、熱い想いが溢れる「愛の絆」や「青い面影」等、このアルバムもブルース/アコースティックなテイストも感じられる名盤だ。裸のラリーズの水谷孝がギターで演奏に参加した「果てしない流れに咲く胸いっぱいの愛」でアルバムの最後をキメている。「夜をくぐり抜けるまで」と「愛の絆」はオムニバス『OZ Days』に弾き語りで収録されていたな。文字通り命尽きるまで歌い続けた。

耳の奥底に残る南正人の歌声は、いつまでも我々の胸をきしませるだろう。

このブログの人気の投稿

TH eROCKERS「可愛いあの娘」

NICO『LIVE IN DENMARK』

ザ・ルースターズ「PLAYLIST from ARTISTS」