Les Rallizes Dénudés『'67-'69 STUDIO et LIVE』・『'77 LIVE』・『MIZUTANI』
私がラリーズに興味を持ったのは2000年代に入ってからで、その時には1991年にリリースした3枚のオフィシャルCDアルバムはもちろん入手不可能だった。そもそもが『'67-'69 STUDIO et LIVE』と『'77 LIVE』が各1,000枚、『MIZUTANI』が500枚というプレス数ではリリースして早々にプレミア盤化。私は1991年当時リリースされたことも知らなかった。ラリーズが取り上げられていた、ジュリアン・コープ著『ジャップロック サンプラー』を読んだのも興味を持つきっかけになったかな。
私がラリーズの音源を聴いたのは、たまたま貰った『OZ DAYS LIVE』の音源だった。裸のラリーズってこういう音なんだ、面白そうだなと思ったものの、ラリーズのCDは手に入るのかと調べてみると、いろいろ海賊盤が出ているのはわかったが、はたしてどれを聴いたら良いのか、全く分からず。それで結局オフィシャル3作品のリマスター盤という触れ込みの非公式盤『RIVISTA ARCHIVES』を入手、2013年頃かな。それは3作品にボーナスCD付きの5枚組で1万円くらいしたと思う。当時公式盤のプレミア価格は3枚あわせると3万円以上はしたと思うから、まぁ3分の1の値段で買えるならいいか、と。でも『RIVISTA ARCHIVES』がリマスターされているなら、もとはどんな音だったのか知りたくて『'77 LIVE』のコピー盤『le 12 Mars 1977 a Tachikawa』も入手した。2013年頃はTSUTAYAでラリーズのレンタルCDがずらりと並んでいるのを見た時は驚いたな。借りなかったけど。
『'77 LIVE』は圧縮と増幅された音質で、確かにライヴ会場での聴感の“臨場感”を再現し、緊張と陶酔感、あるいは時に抗いようのない催眠効果をもたらす。『'67-'69 STUDIO et LIVE』に収録されているガレージな「My Conviction 」や『MIZUTANI』収録のリリカルでフォーキーなナンバーもラリーズの裸の姿を垣間見せる内容だ。
今回のCD再発は『'67-'69 STUDIO et LIVE』に製造工程不良でディスク交換というトラブルがあったものの、約30年もの間、入手不可でプレミア価格となっていた幻のオフィシャル3作品が、バンドと縁の深い久保田麻琴によりリマスターされ、新品として入手できるようになったのは嬉しい限りだ。
内容に関しては、Tuff BeatsのHPには各ディスクの解説が記載されているので下記に紹介する。
『'67-'69 STUDIO et LIVE』(解説・湯浅学)
『'77 LIVE』(解説・湯浅学)
『MIZUTANI』(解説・松山晋也)
右上のジャケ写は今回再発されたCD3枚(と帯を並べたもの)で、紙ジャケットでのリリース。
雑誌『ロック画報 25・特集 裸のラリーズ』によると、1976年にヴァージン・レコードの全額負担でレコーディングがおこなわれたが、正式契約に至らずリリースされたかったという音源があるらしい、ミックスは完全に終わっていないということだが、これ聴きたいなぁ。