MY PLAYLIST Vol.4『THE VERY BEST OF ROCK'N'ROLL GYPSIES』

ロックンロール・ジプシーズは当初1995年〜1997年にかけて、花田裕之のソロ活動に際し名付けられたプロジェクト的なバンド名称だったが、2001年10月14日「北九州博覧会 Rock'in Expo 2001」にロックンロール・ジプシーズのバンド名義で出演。続いて2002年3月1日には渋谷ON AIR EASTでライヴ、その後もライヴを重ね、2003年6月18日にはスタジオ・アルバム『I FIRST』をリリースしロックンロール・ジプシーズが継続的なバンドであることを印象付けた。

メンバーは、
花田裕之 Vocal & Guitar
下山淳 Guitar & Vocal
井上富雄 Bass &Vocal
池畑潤二 Drums
で始まったロックンロール・ジプシーズだが、ベースの井上が2003年末に脱退、奈良敏博をゲスト・プレイヤーとして活動を続け、後任ベーシストには市川勝也(元POTSHOT)が加入している。アルバム『II』では井上が8曲、市川が4曲でベースを担当した。

2003年〜2016年でスタジオ・アルバムは4枚。他に映画『ロッカーズ』サントラ盤に参加、ボ・ガンボスのトリビュート盤(2005年)に甲本ヒロト&ROCK'N'ROLL GYPSIESで1曲参加している。なかなか寡作なロックンロール・ジプシーズであるが、主にオリジナル・アルバム4枚から自分の好きな曲を選びベスト盤を作ったのは、2019年頃と思う。まぁライヴ・アルバムもあるのだがスタジオ録音のみで選曲。発表順ではなく全体のバランスとCD-Rに焼いて聴くことを考えた曲順にした。

以下、私の選んだ、THE VERY BEST OF ROCK'N'ROLL GYPSIES。

 1. Frame Up Boogie(作曲:ROCK'N'ROLL GYPSIES)
 2. 渇く夜(作詞・作曲:花田裕之)
 3. 只の夢(作詞:柴山俊之 作曲:下山淳)
 4. そろそろ(作詞・作曲:花田裕之)
 5. 風の跡(作詞・作曲:花田裕之)
 6. You won't be my friend(作詞・作曲:下山淳)
 7. Hō Train Boogie(作詞:柴山俊之 作曲:花田裕之)
 8. Hey DJ(作詞・作曲:花田裕之)
 9. Let'em roll(作詞・作曲:花田裕之)
10. RRGブルース(作曲:ROCK'N'ROLL GYPSIES)
11. いつものこと(作詞:花田裕之・下山淳 作曲:下山淳)
12. 穏やかな時へ(作詞・作曲:花田裕之)
13. そんなとこ(作詞・作曲:池畑潤二)
14. Old Guitar(作詞:山口洋 作曲:下山淳)
15. LUCKY LOVE(作詞:大江慎也 作曲:花田裕之)
16. Muddy Man(作詞・作曲:花田裕之)
17. A SUNNY PLACE(作曲:ROCK'N'ROLL GYPSIES)

という内容。全17曲で収録時間は約69分。
Track1. from『ロッカーズ・オリジナル・サウンドトラック』(2003年)
Track7. 9. 11. 14 from『I FIRST』(2003年
Track3. 5. 8. 15. 16 from『II』(2005年)
Track2. 4. 10. 12. 13. 17 from『III』(2010年)
Track6 from『IV』(2016年

1曲目は陣内孝則監督映画『ロッカーズ』のサントラからスリリングなインストの「Flame Up Boogie」。続いてトレモロがかったギターストローク、切れ込む下山のギターフレーズが印象的な「渇く夜」。「只の夢」はロカビリーなテイストで束の間のロックンロール・ドリームを嘆く。しがらみから逃れる「そろそろ」。“オレは風の跡流れるだけ/ただ風の跡追いかける/ジプシーさ”と歌われる「風の跡」は”流れる”花田のテーマともいえるハード・ドライヴィンでアウトロウなナンバー。この曲ジプシーズの中でも特に好き。

アルバム『IV』からは下山の歌うリリカルで切ない「You won't be my friend」。柴山らしい歌詞で藤井康一の吹くハープも聴きどころのブギー「Hō Train Boogie」。「Hey DJ」はロックンロールのかからないラジオを嘆く歌詞とジョン・メイオール/サンタナなギターソロも最高。花田作のミディアム・ナンバー「Let'em Roll」。インストのヘヴィで渋いブルースナンバー「RRGブルース」。

スライド・ギターにアコースティック・ギターで少しのんびりした雰囲気の「いつものこと」。「穏やかな時」は“意味などないのさ/生きていくことに”と迷いなく歌う花田の声に解放された気分を味わう。花田の低音ヴォーカルがいい池畑作の「そんなとこ」。ヒートウェイヴの山口洋作詞「Old Guitar」は歳を重ねることを使い込まれたギターに重ねて描く下山作曲の魅力的なバラード。長らくシーンから離れていた大江慎也復活の足掛かりのひとつとなったアルバム『I FIRST』には大江作詞の曲が3曲収録されていたが、ここでは『II』から作詞:大江+作曲:花田によるブギー「LUCKY LOVE」を選曲。英語の多かった『I FIRST』収録曲にくらべほぼ日本語の歌詞で大江の作る歌詞にはやはり独特のセンスがある。池畑のドラミングも聴きどころだ。ストーンズにT-REXをミックスしたようなミディアム・ナンバー「Muddy Man」。サーフな印象もあるインストの「A SUNNY PLACE」で終了。

右上のジャケ写は、選んだ曲を収録したサントラ『ロッカーズ』とスタジオ・アルバム4枚もうすぐ7年振り!で5枚目のスタジオ・アルバム『V』リリースだ。

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