My Wandering MUSIC History Vol.108 DATE OF BIRTH『思い出の瞳』
ポートレートからリリースされた10インチ・アルバム『AROUND + AROUND』はタワーレコード経由でヨーロッパ、アメリカなど海外に輸出され反響をよび英モビルスーツやヴァージン傘下のレーベルから契約の打診があり、国内のレコード会社でも争奪戦となったというが、福岡在住を契約の条件にしていたデイト・オブ・バースの面々は、その条件を受け入れたキティ・レコードと1986年4月に契約。ポートレート盤に収録されていた「Remember Eyes」を再録し「思い出の瞳」として12インチ・シングルでリリースした。ジャケットはエンボス紙仕様で、いしかわこうじのイラストを使用。
帯には“海外では有名です、デイト・オブ・バース”のキャッチフレーズに、次の紹介文が記載されている。“ロンドンをはじめ、海の向こうのPOPシーンでは既に高い評価を受けている注目の<デイト・オブ・バース>。ついに12インチシングルで登場です。おしゃれで、やさしくて、すこし懐かしい。絶対にお得な3曲入り1200円です。全国東宝系公開アニメーション映画「扉を開けて」エンディングテーマに決定。”
「思い出の瞳」は1987年にリリースされるキティからの最初のアルバム『夢と涙の日々』にも収録されているが、12インチにはアルバムより収録時間が40秒ほど長く収録されている。アルバム『夢と涙の日々』の帯裏にはロング・バージョンの記載がある。
アルバム『夢と涙の日々』帯裏より
B面には、冷んやりとしたテイストの「冬空の子供達」、ポップでキャッチーな「スカートの丘」をカップリング。どちらも涙をたたえた少年少女の姿を描いた、と思える歌詞の内容で作詞はNORICOと重藤進。「スカートの丘」はこの12インチでしか聴けないのが残念な佳曲。
「思い出の瞳」は新井素子原作のアニメ映画『扉を開けて』(キティ・フィルム 1986年公開)の主題歌になり同映画のサウンドトラック・アルバムにも収録された。