MY PLAYLIST Vol.11 TRIBUTE TO THE VELVET UNDERGROUND『WHITE LIGHT / WHITE HEAT』

ヴェルヴェット・アンダーグラウンドはアンディ・ウォーホルから離れ、ニコも去っていった。ルー・リードとジョン・ケイルの双頭といえる体制となって制作されたヴェルヴェッツ2枚目のアルバム『ホワイト・ライト / ホワイト・ヒート』。ハーモニーとリリシズムはフリーキーでヴァイオレントなサウンドに粉砕されていった。

まっ白な光しか見えなくなり、つま先が熱くなるというドラッギーな状態を表現したという「White Light / White Heat」は、そのコーラス部分こそ前作に通じるポップなナンバーだったが、そのほかは轟音と不協和音、不穏なフィードバックの洪水ともいえる。

かつて学生時代に友人の車の後部座席に座り、リアウインドウの下に置かれたスピーカーで頭の両側からこのアルバムを大音量で聴いた40分間は、その凶暴さに恐れをなしたものだ。

このアルバム収録曲も多くのカヴァー・ヴァージョンがあるが、以下、手持ちの音源から私の選んだ、TRIBUTE TO 『WHITE LIGHT / WHITE HEAT』

 1. White Light / White Heat The Professionals
 2. The Gift 2 The Bollock Brothers
 3. Lady Godiva's Operation Chapterhouse
 4. Here She Comes Now Nirvana
 5. I Heard Her Call My Name Half Japanese
 6. Sister Ray Joy Division

Track 1. シングル「1-2-3」(1980年)
Track 2. アルバム『ザ・ラスト・サパー』(1983年)
Track 3. 4. 5.  Various Artists『アン・ピーシング・ザ・ジグソウ』(2009年)
Track 6, アルバム『スティル』(1981年)
という内容。

「White Light / White Heat」はセックス・ピストルズ解散後にスティーブ・ジョーンズとポール・クックがアンディ・アレンを加えて結成したザ・プロフェッショナルズが1980年にリリースしたセカンド・シングル「1-2-3」にカップリングされていた。ピストルズ・テイストが堪能できるカヴァーに仕上がっていてカッコいい。セックス・ピストルズの『ネヴァー・マインド・ボロックス(邦題:勝手にしやがれ!)』を丸ごとカヴァーしたアルバムをリリースしているザ・ボロック・ブラザーズの「The Gift 2」は、ヴェルヴェッツの「The Gift」を下敷きに歌詞を変えたパロディ(?)ソングでアナログ2枚組アルバム『ザ・ラスト・サパー』のD面に収録されていた。曲のクレジットはバンド名義で歌詞はオリジナルの不運な哀しき“箱男”のストーリーとは違うけど(ボーイ・ジョージがなんとかかんとか…)、演奏トラックとヴォーカル(というか朗読)の音の分離や、演奏/アレンジはヴェルヴェッツのオリジナルを踏まえたものと思うので選曲した。ヴァイブレータズのノックスとジョン・エリスがゲスト参加している。

このあとの3曲はVUトリビュート盤『アン・ピーシング・ザ・ジグソウ』からで、シューゲイザーの代表的なバンドのひとつチャプターハウスは「Lady Godiva's Operation」をゆったりと耽美的にノイジーにカヴァー。ニルヴァーナは「Here She Comes Now」をエモーショナルで骨太にカヴァーしている。そしてヴェルヴェッツ後にモー・タッカーのソロをサポートしたジャド・フェア、デイヴィッド・フェア兄弟によるハーフ・ジャパニーズはパンキーでノイジーに「I Heard Her Call My Name」をカヴァーしている。

「Sister Ray」はこれしか思いつかん。ジョイ・ディヴィジョンのアルバム『スティル』からで1980年4月、ロンドンのムーンライト・クラブでのライヴ・ヴァージョン。

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