私の放浪音楽史 Vol.111 ECHO & THE BUNNYMEN『CROCODILES』

1980年7月18日、KOROVAよりリリース(UK)。

私がこのバニーズのデビューアルバムを聴いたのは3枚目のアルバム『ポーキュパイン』の後だから、1983年後半頃か。最初に入手したのは日本盤のアナログだった。オレンジやグリーンに照らされた夜の森に佇むメンバーを写したジャケットがアーティステック(フォトグラファーはブライアン・グリフィン)。シャープで躍動感のある粒揃いでコンパクトな曲が並んでいる。ブロデュースはビル・ドラモンドとデイヴィッド・バルフの変名ザ・カメレオンズと、一部イアン・ブロウディ。

フィードバックノイズの霞の中からリズムがフェイドインしてくる「Going Up」、後にリリースするライヴEPのタイトル『Shine So Hard』になる“Stars are stars and they shine so hard"という歌詞の一節があるメランコリックな「Stars Are Stars」、“キーモン、キーモン”というモンキーを逆さ言葉にして繰り返し歌う「Monkeys」、ライヴでは長尺になるがアルバムではザクザク、ジャキジャキのギターがかっこいいスピーディなタイトルトラック「Crocodiles」、シングル曲「Rescue」とその12インチのカップリング曲「Pride」(この2曲のプロデュースがイアン・ブロウディ)、ピアノの旋律が印象的な「Villiers Terrace」、ZOOからのファースト・シングル収録曲の再演「Pictures On My Wall」、躍動感に満ちた「All That Jazz」と「Happy Death Men」でアルバムは終了。

タイトでパワフルなピート・デ・フレイタスのドラムとグルーヴィーなレス・パティンソンのベースは鉄壁のリズム隊。そして鋭利なフレーズを奏でるウィル・サージェントのギター、艶やかな響きのイアン・マッカロクのヴォーカル。スペシャルなクリエイティヴティはこの4人ならではのものだ。キーボードはデイヴィッド・バルフが弾いている。

この日本盤はUKリリースと同仕様10曲入りで、バンドの代表曲のひとつ「Do It Clean」とジュリアン・コープとイアン・マッカロクの共作「Read It In Books」はアルバムに収録されていなかった。イリギス盤にはその2曲を収録したシングルが付属している限定盤があると知って、欲しいな!と思っていたところ、ある日お茶の水というか神田のビルに入っていた中古盤屋(名前は忘れた)で発見。うれしかったなぁ。でもサイアーからリリースされたアメリカ盤には両曲ともアルバムに収録されていると後で知ったんだが。

『クロコダイルズ』のUK盤(KODE 1)。「includes FREE SINGLE」のステッカーが貼ってある。

フリーシングルのA面「Do It Clean」。シンプルな構成で高揚感のある名曲。

フリーシングルのB面「Read It In Books」。
バニーズ以前のイアン・マッカロクとティアドロップ・エクスプローズ以前のジュリアン・コープが結成した幻のバンド、クルーシャル・スリー時代に作られた曲で、バニーズとしてはZOOからのファースト・シングルの再演となる。

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