OMNIBUS a Go Go Vol.41『PACIFIC UNION』
私の記憶ではRIDEやMy Bloody Valentine等を聴いていた1990年代初頭にはシューゲイザーという呼び名は無くて、 “この轟音を浴びろ!”みたいな表現だった気がする。1980年代のネオサイケデリックの流れが極端に歪んだギターサウンドと 結びつき、刺々しくも甘美なサウンドを作り上げた。“シューゲイザー”という単語を初めて聞いたとき、 新しいエフェクターの名前かと思った覚えがある(フェイザーやフランジャーとか)が、この轟音サウンドを演奏するバンド群が “靴を凝視”しながら(うつむいて)演奏していたという、見た目から付けられた呼び名だ。
このコンピは日本のVinyl Junkie RecordingsとアメリカのClairecordsの共同企画で、両国のバンドの他、イギリスのバンドで元SlowdiveのギタリストによるMonster Movieの「sweet indie rock」(ほぼピアノ弾き語り)や エストニアのバンドPia Frausも収められている。
日本からは、 歌っているのが日本語とは分からないほどの呟きボーカルとノイジー&カラフルなギターの音色が美しいHARTFIELD「the streets(Alternate Mix)」、グルーヴィかつドリーミィなバンドサウンドのcruyff in the bedroom「life is gas」、パンキーなエレクトロニカのAPPLECIDER「any sunny day」、ニューオーダーライクなベースラインも魅力的なSugarcoatの「new disco(Prototype mix)」、John juhl's Cornfield「Effulgence(Demo Version)」はノイジーなギターの洪水に埋もれたポップ、アジアンテイストを感じさせるslow「sai」、ヘヴィなWALRUS「Plastic Butterfly(2nd Mix)」の7バンドを収録。アメリカからはhighspire、airiel、sciflyer、silver screen等が収録されている。