OMNIBUS a Go Go Vol.69『MODS MAYDAY 2 MODNIGHT AT THE BRIDGE』
後にポール・ウェラーとスタイル・カウンシルを結成するキーボード・プレーヤーのミック・タルボットが在籍していたマートン・パーカス。ボーカリストでギタリストのダニー・タルボットはミックの兄弟だ。スモーキー・ロビンソン&ミラクルズの名モッド・カバー「Tears of A Clown」ではじまり、たたみかけるように続く「When Will It Be」、セカンド・シングルの「Plastic Smile」、ファースト・シングルB面曲「I Don't Want To Know You」、“オイ!”の掛け声で始まる「Silent People」、途中で“David Watts”も飛びだす「Tell Me What I Say」で盛り上がりの全6曲収録。
マートン・パーカスの他は前作にも収録されていたスクワイア、スモール・アワーズ、ベガーの3バンドで、スクワイアはジャム度が高い「It's A Mod Mod World」、コーラスが気持ちいい「The Face of Youth Today」、フー・ライクな「I've Got You On My Mind」の3曲。スモール・アワーズは「Underground」、「The Mess」の2曲のビート・ナンバーと哀愁のソウル・ナンバー「Can't Do Without You」(名曲!)、 続く「By The Light」は前作収録の「End of The Night」のタイトルを変えただけで、この曲のみが前作とダブり。ベガーはパワフルな「Friday Night」と、唐突に演奏が終る「Doing Alright As I Am」。このアルバムの終り方もなにか短い期間を駆け抜けた当時のモッズ・シーンを象徴しているような…。
イギリスの1990年代中頃にはブラーやオーシャン・カラー・シーンといったバンドが活躍、スモール・フェイセスの再評価も高まって新たなモッド・リバイバルといわれていた頃で、モッズ・メイデイ続編アルバムもそのあたりの時流を理由にリリースされたのだろうが、シングルやアルバムのリリースがそれほど多くないネオ・モッズ系のバンドをまとめて(しかも初期のライブで)聴けるのはありがたい。
ジャケットは前作に続きロバート・S・リー君と彼のベスパ150スーパー。