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OMNIBUS a Go Go Vol.85『P.E.A.C.E./WAR』

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M.D.C.のデイブ・ディクターが始めたR ラディカル・レコードから1984年にリリースされた世界各国のパンク/ハードコア・パンク・オムニバス。オリジナルはアナログ2枚組で55曲を収録し、各バンドや核軍縮、帝国主義、放射線汚染、政治的デモンストレーションについて記載された72ページブックレット付きで、タイトルはPeace, Energy, Action, Cooperation, Evolutionのバクロニムでもある。1997年にボーナストラック5曲を加え2枚組でCD化された(ブックレットは付属していない)。 CDは60曲入りで、アメリカのバンドが28曲と最も多い、ついでイタリア7曲、オランダ5曲、イギリス4曲、カナダ4曲、ドイツ3曲、スペイン2曲、日本から2曲、デンマーク1曲、スウェーデン1曲、アルゼンチン1曲、オーストラリア1曲、南アフリカ1曲(曲というかアジテーション) という各国から集められた楽曲達。 日本から参加しているのはギズムが「Endless Blockade For Pussyfooter」(『DETESTation』から)と、エクスキュート「Finale」(『Live In Hell Tape』から)の2曲。イギリスからは4バンドと意外に少ないが、クラス、コンフリクト、サブヒューマンズに、ボーナストラックでUKサブスを加え猛者を揃えている。今だとインターネットで世界中とつながりを感じる事が出来るが、1980年代にはこんなコンピレーションで世界のパンクスとの連帯を形にしていた。有名無名も、たっぷり2時間ハードコアが味わえる。アメリカ、イギリス以外だと、ドイツのアップライト・シチズンズの引き締まった演奏のカッコよさ、オランダのB.G.K.の猪突猛進、アルゼンチンのLos Violadoresのストレートなパンク・ロックなんかが面白い。中には変化球もあり。CD化の際追加された5曲はリリースしたニュー・レッド・アーカイブゆかりのアーティストのようだ。 それにしてもこのコンピ、i-TunesやAmazonでダウンロード販売されているので、ギズムやエクスキュートの楽曲がダウンロード購入出来るというのもちょっとした驚き。

OMNIBUS a Go Go Vol.84『READY STEADY GO The Countdown Records Story』

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副題にカウントダウン・レコード・ストーリーとあるが、1980年代からのモッド・リヴァイヴァル重要人物エディ・ピラー・ストーリー1982-1988ともいえる内容。収録曲は年代で並べ替えたが以下の通り。2003年ビック・ビートからのリリース。 1982年にエディ・ピラーが始めたウェル・サスペクトからリリースしたファスト・エディのシングル曲「My Babe」はウィリー・ディクソンのモッド・カバー。続いて1985年に始めたカウントダウン・レコードから最初のリリースでジャケットも非常に洒落てるコンピレイション『5-4-3-2-1-Go』から、ファスト・エディの「I Don't Need No Doctor」はレイ・チャールズ、ハンブル・パイでヒットした曲のカバー。オーストラリアのバンド、ステュピディティはオルガンやホーンも入った豪華なアレンジでパワフルな「Bend Don't Break」、ダイアモンド・レコードからシングルをリリースしていたシーンは「Inside Out(For Your Love)」、ALLJACKS「Guilty」は洗練されたアレンジでグルーヴィーな曲。非常に良い。 キック「Stuck On The Edge of A Blade」はスピーディなビート・ナンバー、 他にモーメント「Stick & Stones」。 1985年リリースのメイキン・タイムのアルバムからは「Where The Rhythm Takes You」で、クールかつサイケな演奏が魅力。1986年リリースのプリズナーズのアルバムから「Wish The Rain」で、メロディアスな曲をポップなアレンジで仕上げている。1986年リリースのキックのシングル「I Can't Let Go c/w Armchair Politician」からは両面を収録。特にA面はポップ&ドリーミィーで魅力ある曲だ。 カウントダウン・レーベルは2年程で終ってしまうが、その後エディ・ピラーはリ・エレクト・ザ・プレジデントを始め “カウントダウン” コンピレーションをリリースする。1986年に第2弾のオーストラリア・バンドを集めた『Party At Hanging Rock』を、1987年には第3弾『スマッシング・タイム』をリリースする。その『スマッシング・タイム』からは、メイキン・タ

OMNIBUS a Go Go Vol.83『A FINE DAY…& A BRILLIANT EVENING Cherry Red Rarities1983-1985』

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Vol.82でも紹介したジェーン、グラブ・グラブ・ハドック、イン・エンブレイスの楽曲を集めたチェリー・レッドのコンピレーションで、チェリー・レッド・レアリティーズ・シリーズの1枚。2003年にリリースされた。 ジェーンは1983年リリースのシングル「It's A Fine Day」とジェーン・アンド・バートン名義のミニ・アルバムからのセレクトと、1992年にリリースされた12インチシングルからリミックス・バージョン「It's A Fine Day (A Guy Called Gerald Remix)」の計8曲。他にエンハンスド・ビデオで「It's Fine Day」のビデオ・クリップ(『Pillows & Prayers DVD』より)が収録されている。代表曲「It's A Fine Day」と違わぬジェーンの歌声と、付け加えられていてもパーカッション、フルート、ピアノくらいで、ナチュラルというか素朴なトラックが並ぶ。もちろんリミックス・バージョンは違うけど、これはこれでなかなか楽しめる。 GGHは1984年リリースの12インチEP『Three Songs By Grab Grab The Haddock』から全曲と、翌年リリースのシングル「Two More Songs By Grab Grab The Haddock」からの2曲で計5曲を収録。 イン・エンブレイスはチェリー・レッドからリリースした2枚のシングル「Shouting In Cafes」(1984年)と「This Brilliant Evening」(1985年)から計5曲を収録。いずれもゆったりとしたエレ・ポップ。ライナーノーツには「Shouting~」は12インチ・バージョンと記載があるけど、どうなんだろう。12インチ収録はロング・バージョンなのだけれど、このCDに収録されているのは長さ3分半程のもの。「This Brilliant Evening」の12インチからは「This Brilliant Evening」のインスト・バージョンが収録されている。 それにしてもこのCDの“素敵な日と輝く夕暮れ”っていいタイトルだと思う。収録の2曲を合わせただけだけど、この頃のチェリー・レッド・レコードのある一面を表しているような気がする。 

OMNIBUS a Go Go Vol.82『PILLOWS & PRAYERS 2』

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日本独自企画で新星堂シリウスコレクションから1984年12月にリリースされたチェリー・レッド・レコードのコンピレーション“Pillows & Prayers”第2集。前作が好評・好調だった為に日本側から続編制作を持ちかけたようだ。第1集を企画したA&Rマイク・オールウェイがチェリー・レッドを離れていた為、イアン・マクネイが曲をリストアップした。 アルバムはマリン・ガールズ「Place In The Sun」で始まる。続くジェーンの「It's A Fine Day」はジェーンのヴォーカルのみで録音されているのだが、素晴らしいトラックでこのアルバムのハイライトとも言える。このアルバム発売後しばらくたってからだと思うが、クリネックス・ティシューのCMにこの曲が使われた時に奇怪な噂が流れた事があった。 ファクトリーからも音源をリリースしていたケヴィン・ヒューイック「Feathering The Nest」は、ギターとボーカルだけのゆったりとしたナンバーだが、なかなかエモーショナルなギターソロも聴ける。ファンタスティック・サムシング「If She Doesn't Smile」はS&Gを思い出してしまう、小粒だけどサニーサイドで素敵な曲。アイレス・イン・ギャザは実験的ながらもポップな「New Risien」、モノクローム・セットはガレージというかマカロニ・ウェスタンも連想させる「Jet Set Junta」、1985年には日本に移り住んで活動をするモーガン・フィッシャー「Un Hamme Et Une Femme(男と女)」は、1983年リリースのアルバム『シーズン』からのご存知フランシス・レイの映画音楽。 フェルト「Penelope Tree」はもう完全にトム・ヴァーレインのフォロワーだけど美しい調べ。名曲。そのフェルトのギタリスト、モーリス・ディーバンクのソロアルバムからは耽美的ともいえる「The Watery Song」が収録されている。グラブ・グラブ・ザ・ハドック「I'm Used Now」は、マリン・ガールズ解散後にアリス・フォックスとジェーン・フォックスが新たに結成したグループのキュートな曲。 以上紹介した曲はアナログLPとCD(2000年に『Pillows & Prayers』との2枚組でCD化された)共通だ

BOOWY「WELCOME TO THE TWILIGHT」

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2012年12月リリースのアルバム『"GIGS" JUST A HERO TOUR 1986 NAKED』より。 ミュージック・マガジン2013年3月号でBOOWYの特集。 かつて1970年代~1990年代位まで先鋭・前衛的な音楽の紹介を核としていた感のあるこの雑誌からは想像がつかなかった事だが、近年のアイドルや邦楽の取り上げかたを見ると、おかしなことでもないのか…。興味をひかれて購入。まぁ内容はこれまで見聞きした事とそれほど変わらず、目新しいところはなかった。高橋まことのインタビューでの「俺がドラム叩けるうちに再結成を…」というコメントに同意するところはある。解散後それぞれのメンバーがそれぞれのバンドをしたがえて、かつての自分達のバンドの有名な曲を演奏している、というのは個人的にはどうかなと思っていて、それならたまに集まってやればいいじゃないか、と思うのだ。 一方では日本のロックを変え、BOOWY以前・以後といわれるエポックなバンドとして語られ、一方では、あれは「歌謡ロック」で、語る価値もなく日本のロックからは評価の対象外だ、なんて言われるバンド。ミュージック・マガジンが特集するからには、もう少し切り口鋭く多角的に取り上げて欲しかったが、むしろ“なぜ今まで同誌はBOOWYを取り上げなかったのか”を検証していたら面白かったかも。 ミュージック・マガジンの姉妹誌「レコード・コレクターズ」が2010年9月号で実施した1980年代の日本のロック・アルバム・ベスト100にはBOOWYのアルバムは1枚も選ばれておらず、30人の執筆者(選者)のうち、2人がそれぞれ『BOOWY』と『BEAT EMOTION』をリストにあげているのみ。 また同誌の増刊(2010年)『日本のロック/フォーク・アルバム・ベスト100』では読者が選ぶ1969~1989年のベスト100枚にも1枚も選ばれていない。この企画は読者がベスト10アルバムを選び、1位=10点、2位=9点…9位2点、10位=1点で集計したものだ。101位以下の紹介で200位に『BEAT EMOTION』が145点でランクされている。 ただこの読者投票でのアーティスト別得票ではBOOWYは552点で56位。 アーティスト別517点で60位のフリッパーズ・ギターが、アルバム『海へ行くつもりじゃなかった』の517点で4