OMNIBUS a Go Go Vol.92『UNDER THE COVERS other people sing other people's songs』

OMNIBUS a Go Goで紹介するものはカヴァー・アルバム、トリビュート・アルバムは除外していたのだけれど、1988年にリリースされた『アンダー・ザ・カヴァーズ』は思い入れのあるアルバムなので取り上げてみたい。

自分のお気に入りのニュー・ウェイヴ系アーティストのカヴァー・ソングを集めてカセット・テープを作るのに重宝した1枚でもある。このアルバムは発売されてすぐCDで買ったが、1988年当時、自分で曲を集めオムニバスを作るのはCD→CDRでもCD→iPodプレイリストでもなく、 もちろんカセットテープだった。

このアルバムからはバニーメンのドアーズの超名カヴァー「People Are Strange」(シングルで聴いていたけど)、イアン・マッカロクのソロでスタンダード・ナンバー(もとはウォルター・ヒューストン)の「September Song」、この曲からスモール・フェイセスにたどっていったプリテンダーズの「Whatcha Gonna Do About It」、バニーズ繋がりでもあったからディスクを集めたストロベリー・スウィッチブレイドのドリー・パートンのカヴァー「Jolene」、ジーザス&メリー・チェインのビーチ・ボーイズのカヴァー「Surfin' USA」(セカンド・アルバムのアウトテイク)、シャレがキツイなと思ったがヴァン・ヘイレンの曲をヴェルヴェッツ・フレイヴァー(「Sweet Jane」風かつ後半フリーキー)でカヴァーしたアズテック・カメラの「Jump」 あたりをセレクトしていたと思う。

それにオランダのシンガー、マチルダ・サンティングの繊細な「Love of The Common Man」を聴いてトッド・ラングレンのアルバム『フェイスフル』を手に入れたし、スタン・キャンベル(スペシャルA.K.A)の有名曲カヴァー「Don't Let Me Misunderstood(悲しき願い)」もソウルフルな歌声が素晴らしい。キリング・ジョークのメンバーだったマーティン“YOUTH”グローバーがいたブリリアントはジェイムス・ブラウンのレゲエ・カヴァー「It's A Man's Man's Man's World」で、シンセ主体のサウンドとジューン・モンタナのヴォーカルがクールだ。

他にはアソシエイツのダイアナ・ロスのシンセ・ポップ・カヴァー「Love Hangover」、シンプリー・レッドのヴァレンタイン・ブラザーズのカヴァー「Money's Too Tight(To Mension)」、ファズボックス(We've Got A Fuzzbox And We're Gonna Use It)のノーマン・グリーンバウムのファズ・ブルースをキッチュにカヴァーした「Spirit In The Sky」を収録、全12曲。海外リリースではイアンの「September Song」の替わりにエブリシング・バット・ザ・ガールのバカラック・ソングをカヴァーした「Alfie」が収録されていた模様。

この頃(1988年)はカヴァー・アルバム、トリビュート・アルバムは今みたいにポピュラーではなく、カヴァー・ソングを沢山聴けるものではなかったが、しばらくしてトリビュート盤濫造、困った時はカヴァー曲みたいな風潮になり、猫も杓子もカヴァー、という状況に…。

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