My Wandering MUSIC History Vol.6 四人囃子『一触即発』

1974年東宝レコードからリリースのアルバム。

中学生で友人達のバンドの演奏に影響され、洋楽のハード・ロック・アルバムを聴くようになったが、友人達は日本のバンドのコピーも演奏していた。そのひとつが四人囃子の曲「一触即発」で、その演奏を聴いて私も四人囃子を聴くようになった。

「一触即発」のプログレ的な曲の展開も面白かったけど、オープニング部分と間奏、エンディングでの森園勝敏のドライヴするギターソロがなんといっても魅力だった。その頃はとにかくカッコいいギターソロ、口ずさめるほど耳に残るギターソロを持った曲が良い曲、素晴らしい曲という価値観だったのだ。まぁ個人的には…。「一触即発」では歌のバッキングで確かEm7とF#maj7のセヴンス・コードを使ったカッティングしている部分があったと思うが、そんなところが良いなと思うようになるのはもっと後の事だ。

もちろん当時から末松康生のシュールな歌詞はクールに感じたものだ。「一触即発」は黙示録的なというか終末的な内容を含んでいたし、このアルバムの他の曲「空と雲」では気怠い昼下がりのような雰囲気を、「おまつり」では退屈とハレ(日常と非日常)の気分を独特の言葉で紡いでいた。末松の歌詞とジャケットの“ナマケモノ”のイラストがアルバム『一触即発』の持つ不思議な謎めいた印象に大きく貢献していると思う。

私たちの間では四人囃子のアルバムはどれも人気があった。東宝から出てたオリジナルの『二十歳の原点』こそ手に入らなかったが、『二十歳の原点』の楽曲部分と『一触即発』をカップリングした『トリプル・ミラー・オブ・四人囃子』も、発掘ライヴ『'73 四人囃子』も誰かが手に入れて皆が借りて聴いていた。佐藤ミツル在籍時の四人囃子はリアル・タイムだったから『プリンテッド・ジェリー』も『包』も良く聴いた。『NEO-N』はちょっと取っ付きにくかったかも…。

四人囃子は演奏面や楽曲で洋楽に引けを取らない日本のロックがあること、それに日本語を使って魅力的なロックを作り出せることを教えてくれたバンドだった。

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