My Wandering MUSIC History Vol.30 BLONDIE『THE BEST OF BLONDIE』

1981年10月クリサリス・レコードよりリリースのベスト・アルバム。

NHKの“ヤング・ミュージック・ショー”という番組でブロンディとストラングラーズのヴィデオ・クリップを特集して放送した回があった。ネットで調べてみると1980年12月に放送されている記述がある。この番組では1時間近く両バンドのヴィデオを流していて、外国のロック・バンドはシングル曲毎にプロモーション・ヴィデオ(当時はこういう言い方も知らなかった)を作ってるから特集番組が出来るんだなぁ、と感心したものだ。それにこの番組、テレビとラジカセを繋いでカセット・テープに録音 した記憶がある。当時ヴィデオ・デッキはもの凄く高かったのでうちにはなかったし、まとめて両バンドのシングル・リリース曲を繰り返し聴きたかったのだろう。

それから1年近くたってリリースされたブロンディのベスト・アルバム。
ストロボを持つデボラ・ハリーの白いドレス姿とバックに写るブルーの空が眩しいジャケット。クリス・スタインの右手の先も気になるけど、男たちは揃ってコンバースを履いているのもこの頃を象徴しているか。私も長い間愛用していましたよ、ハイカットのコンバースを。今じゃウォーキング・シューズだけど…。

このアルバムは輸入盤(あたりまえだけどアナログ盤)で購入。先のカセットじゃ音質的にも良くなかっただろうから、リリースされてすぐ購入したんじゃないかな。なにしろアメリカでのNo.1ヒットが「Heart of Glass」、「Call Me」、「The Tide Is High」、「Rapture」と4曲も入ってるし、他にも本国でヒットしなかったが、イギリス等でヒットしたシングル曲を含む。

US盤とイギリスやヨーロッパなど他国盤(インターナショナル盤)では収録曲の違いがある。私の持っているのはUS盤で「One Way or Another」がB面2曲目に収録されているが、他国盤にはこの曲は収録されておらず、代わりに「Denis」、「Picture This」、「Union City Blue」が収録されていて14曲入りとなっており(US盤は12曲入り)、曲順も異なる。当時発売された日本盤も他国盤と同じ仕様。国によってこれ以外の収録曲の違いがあるようだ。

ブロンディはバンドの始まりがCBGBと関係が深いからニューヨーク・パンクにカテゴライズされているが、ヴェルヴェッツやニューヨーク・ドールズ、60'sガールズ・グループ・ポップスやサーフ・ミュージック等からの影響を受けた粗削りでパンキッシュな初期の演奏から、徐々に様々な音楽的なスタイルを取り入れ変貌していった。このベスト・アルバムはそのショー・ケースともいえる。ドリーミーなギター・ポップ、スペクター・サウンド、ソリッドなロックンロール・チューン、 レゲエ、ディスコ、ラップ…。特に「Rapture」はクラッシュの「The Magnificent Seven」とならんで大好きなラップ・スタイルの曲。

「Heart of Glass」、「In The Flesh」、「Sunday Girl」がこのアルバムの為のマイク・チャップマンによるスペシャル・ミックスでの収録、「Rapture」はクレジットは無いが歌詞を追加、シングル、アルバムとも違う編集をしたヴァージョン(5分36秒)での収録。

今ではほとんどのヴィデオがネット上で見られるが、シャーツのアニー・ゴールデンをして“デビーはロックンロール・マリリン”と言わしめたデボラ・ハリーの魅力を「Hanging On The Telephone」 (The Nervasのカヴァー)のヴィデオで再確認したのだった。 映像集欲しくなったな…。

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