My Wandering MUSIC History Vol.43 ARB『BOYS & GIRLS』

1981年3月21日、ビクター/インビテーションよりリリースのアルバム。

ARB、3枚目のアルバム。
薄手のPコートの石橋凌、プリントTシャツの上に濃い色のジャケットでギターを抱えた田中一郎、おなじみサングラスに革ジャンのキース、PILの缶バッジをつけたライダースにベースをぶら下げたサンジ。険しい表情の4人が赤をバックに立つジャケットが目を引く。

ARBの代表曲のひとつでもある“狂えない/笑えない”時代の少年・少女達に語りかけた「Boys & Girls」。 久留米から博多へ演奏するために通った国道の思い出を描いた「悲しき3号線」。少女の死をテーマにした「Just A 16」は小さな記事にインスパイアされた曲だという。今だったら弦楽を入れて編曲したくなるような曲だが、バンドだけで演奏しているのが潔い。それでもクラシカルな要素を入れたギター・ソロが聴きどころでもある。

「発(ハッパ)破」、「Believe in R&R」、 “昔の傷も今は忘れちまい”というフレーズが今も効いてる、召集令状をラブレターに見立てた「赤いラブレター」、セカンドラインのリズムがイカしてる「“エデン”で1・2」、柴山俊之作詞の「Mr.ダイナマイト」、 トム・ウェイツ(石橋凌が好きだという)をモデルにした「ウィスキー・マン」、これらは田中一郎が作曲したゴキゲンなロックンロール・ナンバー。

個人的に好きなのは、スカビートを取り入れた「ダディ―ズ・シューズ」とレゲエ・ビートの「Naked Body」。この2曲はサンジのベース・プレイが光る。「ダディ―ズ~」は楽しげに動き回るベースフレーズが、「Naked Body」はブツブツと刻むベースが魅力的だ。このアルバムを聴いていた頃、おやじの靴は小さくて履けなかったが、おやじが着なくなっていたコートはちょっと短かったが学校に行くときも遊びに行くときも着ていた。幾つか缶バッジを付けてね。 私のまわりではそんなおやじの上着を着ている奴が結構いたものだ。皆「ダディーズ・シューズ」という曲が好きだったからだと思う。

「ダディーズ・シューズ」はアルバムに先駆けてシングル・リリースもされており、B面にはアルバム未収録の「シェリーは昼間死んでいる」がカップリングされていた。

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