ましまろ「ガランとしている」
クロマニヨンズの真島昌利(G.Vo)、
ヒックスヴィルの真城めぐみ(Vo)と中森泰弘(G.Vo)という3人で結成された“ましまろ”のデビューシングルで4曲入り。
メインヴォーカリストは真城のようだけど、オリジナルの3曲は真島昌利の作詞・作曲だし、バディ・ホリーのカヴァー「ハートビート」は真島の日本語詞が歌われているからマーシー・ワールドは堪能できる。ゲストでベースにハマ・オカモト(OKAMOTO'S)、ドラムに岡本啓佑(黒猫チェルシー)が参加。
真島がかつて在籍していたブルーハーツは1987年のメジャーデビュー当時シングル何枚か聴いたけど、パンクロック勃興からほぼ10年たった頃で、今更初期パンク・タイプのストレートなサウンド(大雑把に言うとピストルズ・クラッシュ・ラモーンズの影響下)を聴くのもなぁ、と思っていた。私よりもう少し下の年代が聴く感じだった。1989年に真島昌利がリリースしたソロ・アルバムが気に入ってからブルーハーツの真島ソングを聴くようになったけど。
そのマーシーのソロ『夏のぬけがら』に通じるフォーキーでやわらかな「ガランとしている」は、百合、薔薇、鬼灯と植物の名前が出てくる謎めいた歌詞、それに “何もないようなふり” っていう言葉がひっかかるなぁ。隠れたメッセージがありそうな。誰もいなくてガランとしているけど、それは目には見えない何かがあるから…、っていうのは考え過ぎか…。
その他、2曲目の「公園」はガレージ感のあるナンバー。今はなくなってしまった思い出の公園の歌で、何故なくなってしまったのか、その跡地に何が出来たのかもわからないが、怒気を含んだマーシーの声からは、幼いころから通っていた公園がなくなってしまった事に対する強い憤りが伝わる。
「しおからとんぼ」はマーシーのヴォーカルから始まるが、“夕立のひとしづく”なんて歌詞、昭和で懐かしい感じだなぁ。夕立っていう言葉から受ける夏の雨のイメージは、近頃の酷いゲリラ豪雨みたいなものと違う印象だ。 バディ・ホリーの「ハートビート」は原曲のドキドキ感を日本語に意訳した少年の恋のときめき。オリジナルと同様軽快なカヴァー。 “木造校舎”って言葉がこれまたレトロ。
次はアルバムか…リリースは9月2日。