STEELY DAN「THE FEZ」
最近ブックオフでは、有名アーティストのちょっと古いベスト盤は輸入盤だと2枚組500円で売ってることも。『THE VERY BEST OF STEELY DAN』も2枚組、500円だったんで入手。スティーリー・ダンは凄く安く買った『Aja』のアナログ盤(1980年の国内再発)のみ持ってたんだけど、良さがわからなくて、あまりに都会的でスムーズ過ぎるっていうか…、構築的すぎるというか…。あとドナルド・フェイゲン『ナイトフライ』もCDで持ってたな。
で、このベスト盤、『キャント・バイ・ア・スリル』~『ガウチョ』までの各アルバムから年代順に数曲ずつ収録されているんだけど、ハマった。1曲目の「Do It Again」から凄く良い曲。パーカッションの使い方がいいなぁ。これがスティーリー・ダンかぁ。全然印象違うなぁ。まだバンド的なノリもありつつスタイリッシュ。 他にも名曲目白押しだ。いやー、初期から聴いていくとこのバンド(ユニット)の洗練具合がわかるっていうか、『Aja』の楽曲も新鮮っていうか違って聴こえる。いい!聴き直しましたよ『Aja』のアナログも。聴かないくせに飾ってあったんだけど、ジャケが好きで。いいなぁ。特に「Deacon Blues」。私のスティーリー・ダンへの興味はイギリスのスティーリー・ダン・フォロワー(?)のプリファブ・スプラウトやダニー・ウィルソンなんかを経由してたんだけど、そのあたりの音好きにも初期~『Royal Scam』くらいまでのサウンド取っ付き易いんじゃないだろうか。まぁ今となっては全部いいんだが。
それに私がPANTA&HALのアルバム『マラッカ』のレヴューをした時にひと言もスティーリー・ダンに触れていないけど、このアルバムがフュージョン的な影響下というのを知っていたものの、スティーリー・ダンの楽曲を聴いてからだと『マラッカ』から受ける印象もなるほどなぁ、と思えてくる。複雑な曲構成とコードワーク、2本のギターの絡み、凝ったハーモニー、難易度の高い楽曲をつくり、そのサウンドに時に社会的な歌詞が歌われる。例えばスティーリー・ダンの「The Fez」(オリジナル・アルバムでは『Royal Scam』収録)とPANTA&HALの「ココヘッド」からは共通したエキゾチシズムを感じる、というのは私の思い込みかな…。
で、スティーリー・ダンのオリジナル・アルバムも揃いつつある…。