『ROCK OF AGES』

2016年11月1日、ロフトブックス刊

新宿ロフト40周年記念写真集。
フォトグラファーは地引雄一、三浦麻旅子、吉浜弘之、フジタヒロミ、神林律子、辻砂織、大西基、菊池茂夫がクレジットされている。

新宿ロフトのオープンは1976年10月、1999年3月まで西新宿小滝橋通り沿いにあったが、1999年4月から歌舞伎町に移転して現在まで営業。初期はライヴ写真があまりないのか掲載できなかったのかロフトのフリーペーパー「Rooftop」を転載したものが多い。写真としては1979年2月と思われるリザードのモモヨ~2015年のおやすみホログラムまで。

ルースターズは1983年8月のライヴ、1986年頃かな花田ヴォーカル期、2004年復活ルースターズ、その他ルースターズ関連ではバトルロッカーズ、1984、ゼロスペクター、南浩二、石井聰亙&バチラス・アーミー(メンバー写ってないけど)、サンハウス(+花田と思う)、ミチロウ+下山、大江ソロ、ロックンロールジプシーズ掲載。

恒松正敏関連ではフリクション、EDPS掲載。東京ロッカーズ期から1982年頃まではほぼ地引雄一の写真が掲載されているが、写真集としての出来上がりを比べてみると2009年に地引がリトルモアから出版した『TOKYO STREET ROCKERS 1978→1981』の方が紙質・写真の仕上がり、 見栄えも良いと思う(同じ写真が掲載されているからね…)。今回の『ROCK OF AGES』は紙質・見栄えがやや不満足だが、写真点数、ページ数重視で値段を抑えた感があるので良心的なのかな。もう一つ残念なのは写真それぞれにキャプションが欲しかったなぁ。それに44ページのミラーズの写真は下北ロフトじゃないの…。

写真だけではなく、証言者として五人が新宿ロフトへの思いを語っている。音楽プロデューサーの牧村憲一、お馴染み地引雄一、評論家の今井智子と中込智子、THE BACK HORNのベーシストで新宿ロフト元店員の岡峰光舟。五人とも興味深い内容。

まぁ私個人としてはロフトに足繁く通っていた訳ではなく、1983年~1984年頃にパンタやルースターズを観に行っていたくらいだ。それでも一番訪れた回数が多いライヴハウスかな…特別な思い入れはある。今回の写真集でロフト外観や内部の写真を見ていると、細い階段や、大きな時計があったことや、あぁこのミキサー卓の後ろによく立ってたなとか、思い出してくる。ロフトの通りを挟んだビルでよくトイレ借りたな。そういえばロフトの入口近くに立ってたら脇の壁にゴキブリが這っていたのを見た時は東京のゴキブリは随分デカいなと驚いた。

ロフトの周辺も写真に写っているが、1979年8月の写真にはロフトの横に瓦屋根の建物が建っており奥にも建物がある、その後1981年8月の写真ではロフトの奥はビルが建ち月極駐車場も出来てすっかり様変わりし、1999年3月の最終日の写真では入口向かいにビルが建ち、周囲は鉄製の仕切りに囲まれている。こういうロフトの周辺の移り変わりやロフトの外観の変わったところなどもうちょっと分かりやすく写真で見られたら面白かったなぁとも思った。それにロフトのステージの市松模様は1982年の途中からみたいだな、写真を見てると。

新宿ロフト40年の歴史をを380ページで振り返るボリューム満点の1冊だ。パラパラと眺めているだけでも面白い。巻末には元ルースターズのキーボード奏者で日本コロムビア(株)A&R顧問の安藤広一のあとがき有り。

あ、もちろんロフト創始者、平野悠の巻頭のお言葉もあります。

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