Kadoi The Heartbreak & Hiroshi The Golden Arm監修「『JOHNNY THUNDERS Complete Works - the Art of Cosa Nostra」

2020年4月11日 シンコーミュージック・エンタテイメントより出版。

しばらく前に出版されたジョニー・サンダースの全仕事(2019年にリリースされた音源まで)をまとめた労作。大きさがA4判で、個人的にはこの手の本としては、ちょっと大きいなーと思って購入するのを迷ってたんだけど、結局6月頃に買ってみて、ジョニー本人、ウォルター・ルアーやパティ・パラディン、ニーナ・アントニア、グレン・マトロック等のインタビューを読んだり、メモラビリアや、アナログ盤ベースで大きく紹介されているニューヨーク・ドールズ、ハートブレイカーズ、ソロ作をパラパラと眺めて、やはり大きい、重い、と言う本だったのだが、日本盤CDの帯付ジャケット写真がずらりと掲載されているのが壮観。

初版から再発されてるもの、再々発されてるもの、小さい写真ながら125枚が並んでいて、リリース年、カタログ番号、短くコメントも記載されてるのを見て、これは凄い本だ、という思いがじわじわと湧いてきた。

ジョニー・サンダースはそれほど枚数聴いてない。
ソロ・アルバム『So Alone』を聴いたのは1980年代初め頃か。1984年にリリースされた『L.A.M.F. Revisted(邦題:L.A.M.F.〜復活)』、ライブ盤『DTK』、リチャード・ヘル在籍時のハートブレイカーズのライヴ盤『What Goes Around』や『Live At Mothers』、ROIRからカセットで出てた『Too Much Junkie Business』、アコースティックな『ハート・ミー』、このくらいか。『コピー・キャッツ』は聴いてないな。あとニューヨーク・ドールズのファースト、セカンドか。

1988年2月6日に渋谷公会堂でおこなわれたイベント、THE COVER SPECIALでジョニー・サンダースを見た。

ピンクのスーツに身を包んだジョニーは、ディランのカヴァー「Joey Joey」、ジョニーのオリジナル「You Can't Put Your Arms Round A Memory」をアコースティックの弾き語りで演奏した後、G花田裕之、B寺岡信芳、D Kiethという職人肌のミュージシャンをバックに、ギターをレスポールJr TVに持ち替え、「Gloria」、「Rock Me Baby」を演奏、その派手な佇まいもさることながら、次第に自分のギターのアンプのヴォリュームを大きく、リヴァーブを深くしてゆくワガママな姿に、ジョニー・サンダースの存在感を強く感じたものだった…。とにかくジョニーのギターの音はデカかった。そして「I'm Not Your Steppin' Stone」を演奏して終了。
20分くらいのステージだった。

この「JOHNNY THUNDERS Complete Works」に『So Alone』の日本盤アナログLPの写真や記述がないから、日本ではリリースされなかったんだろう。私が友人のH君に借りたのも輸入盤だった。ハートブレイカーズ唯一のスタジオ・アルバムで1977年にリリースされた『L.A.M.F.』のオリジナル盤は、日本でのリリースがなかったということだが、輸入盤でも見たことなかったし持ってる友人もいなかった。オリジナルのミックスが気に入らず、ジョニーとトニー・ジェイムスによりリミックスされ曲順も変更されていた『L.A.M.F. Revisted』だったが、その破壊力と衝撃は我々を直撃した。非常に愛聴したアルバムだったし、ピンクの文字でL.A.M.Fと大きく書かれたジャケットもカッコよく馴染みがある。
だけど現在は1994年にリリースされた『L.A.M.F. The Lost '77 mixes』というのが定番となっているんだ…知らんかった。

あー『L.A.M.F.』オリジナルミックスが再発されているのを発見。盤おこしだけど。CD4枚組ボックス『L.A.M.F. Definitive Editon』のなかの1枚かー。ということで『L.A.M.F. Definitive Editon』は購入した。

ジョニー・サンダースの音源はオリジナル・アルバムがそれほど枚数出てないのに、いろんな場所のライヴ盤やミックス違いやデモ・ヴァージョンなどの編集盤がたくさん出ていて、聴いてみたいがそれぞれどのように違うのか、同じなのかが判らなかったが、この本のおかけで非常にすっきりした。
ジョニー・サンダースとロックンロールへの愛に溢れた素晴らしい本である。

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