真島昌利著『ロックンロール・レコーダー』
本のサイズは7インチ・シングル・レコードのサイズで、裏表紙は7インチ・アナログ盤のレーベルを模してある。マーシーが小学6年生で出会い衝撃を受けたビートルズから50年代のロックンロール、ストーンズ、ブルース、ソウル、パンク、レゲエ、ネオスカ、ネオアコ等の私物レコードのLP、7インチ(日本盤シングル多し)をオール・カラー撮り下ろしで紹介している。さらに日本のグループのレコードも紹介しているのもうれしい。まぁディスク・ガイドというより、レココレで連載していた大鷹俊一の「レコード・コレクター紳士録」や雑誌『ROCKS OFF』に連載されていた「オレの100枚」的な内容ともいえる。ピストルズ「God Save The Queen」やダムド「炎のロックン・ロール(原題:Neat Neat Neat」など、7インチ・ジャケットが原寸大で紹介されているものもあり。
ディスクを紹介する文章はマーシーがレコードを手に入れ聴いた当時のピュアな感想・衝撃をその時の出来事も交えて綴られており、“ロックンロールの神様の声” が何度も聞こえる、読んでいてわくわくするような内容だし、さりげなく名言多し。1978年クリスマス・イヴ at S-Ken Studioでマーシーライヴしてるんだ(B中嶋一徳、D田島カズヒト)…もはや東京ロッカーズ/ニューウェイヴと言っていいな。お兄さんや親父さんとのエピソードも微笑ましい。初めて手に入れたエレキ・ギターのグレコ・レスポール・モデルなどのギターも紹介されている。フジロックでのジョー・ストラマーにはホロリ。
あっという間に読了したが、ロック/パンクの初期衝動と暴力性、自由な感覚とスピード感をオールカラーのジャケ写とマーシーの言葉でうまくパックした、Fuck Boredom, Let's Rock!な一冊。Vol.2出して欲しいな。
右上の表紙写真はディスクユニオンのオリジナル特典“レコード帯型特製しおり”と一緒にスキャンしたもの。