BOLSHIE『1979 UNRELEASED STUDIO TRACKS』
BOLSHIE『THE BOX』で書いたが、売切れ状態だった同時リリースの『1979 UNRELEASED STUDIO TRACKS』が4月に再プレスされて入手可能になった。よかったー。
『THE BOX』に収録されていた上野耕路プロデュースによるデモ音源が “ 自分達の表現したいものと乖離していた ”(『1979 UNRELEASED 〜』ライナーノートより)ため、バンドのセルフ・プロデュースで1979年5月にレコーディングした音源13曲を『1979 UNRELEASED STUDIO TRACKS』に収録している。録音場所は渋谷ヤマハ・エピキュラスと記載がある。
メンバーに不評だった上野デモではキーボードが大きめ(というかギターとドラムがやや抑え気味)にミックスされていたが、この『1979 UNRELEASED STUDIO TRACKS』ではギターとドラムの音がソリッドに録音されており、全体としてラウドな聴感になっている。バランスはキーボードが右チャンネル、ギターが左チャンネルに振り分けられている。
『THE BOX』にも収録されていた1979年5月8日新宿ロフトでのライヴ4曲をはさんで、実はこれが聴かせたかったのでは、と思えるのが、石田健司+岩井誠の2人により1982年春に録音されたプライベート・レコーディングの2曲。
「Cut and Carve」は打ち込みのドラムに、石田のスムースなベースラインと岩井のシンセをこれまでになく活かしたアレンジのアンビエントなナンバー。8分余りのやや長めの曲だが退屈させることはない、驚きのボルシー進化形、かっこいい。「Early C」はノイジーともいえるレゲエ/ダブなナンバーで、裏打ちのキーボードに、女性の語りが被さり、石田のヴォーカルもエフェクトがかかって雰囲気がある。打ち込みのドラム、ベースラインも工夫されているし、最後のコーラス部分も曲を魅力的にしている。
『1979 UNRELEASED STUDIO TRACKS』に封入された、石田健司(ベース&ヴォーカル)のライナーノートに、これまで2回BOLSHIEの音源リリースの話があったが途中頓挫した、と記載があるが、いぬん堂の掲示板にも“ OZ、いぬん堂と出なかった ” と書き込みがあった。
今回リリースされた『1979 UNRELEASED STUDIO TRACKS』と『THE BOX』ともにデザインを生業にしてきた石田健司がスリーヴデザインを担当し、PUNKでJUNKなデザインとなった。