PANTA「MOONLIGHT SURFER」OR "LEGENDARY SURFER"
パンタ(中村治雄)が他アーティストに提供した楽曲の中で一番有名かつカヴァーも多いのは「ムーンライト・サーファー」だろう。パンタが作詞作曲し、1977年に石川セリに提供。シングルにもなった。その後、桑名晴子がカヴァーし、やはりシングルになりB面は英語詞ヴァージョンだった(英詞はLinda Hennric)。
私的にヒットしたのはパンタが作曲(作詞は青木茗=金井夕子)した岩崎良美のシングル曲「Vacance」だったな。1982年7月21日リリースで爽やかな夏の雰囲気と少しセンチメンタルな感じの歌詞にメロディそしてアレンジ。ぜひ広く聴いて欲しいサマーソング。他の80年代アイドルでは堀ちえみ「幼な馴染み」、石川秀美「Rule」、荻野目洋子「昨日より輝いて」、伊藤さやか、伊藤かずえ、太田貴子にも提供曲あり。
石川セリには、後にパンタも歌詞を変えてセルフカヴァーした「スノーキャンドル」、名曲「真珠星(Pearl Star)」、「ひとりぼっちの日曜日」、「Fairy Tales」を提供、他に麻生レミ「Same Again」、杏里「白いヨット」、松原みき「予言」、山下久美子「××」、桑江知子、高樹澪などの女性シンガーにも提供している。
男性シンガー、バンド関連では白竜、柴山俊之、沢田研二、チェッカーズ、ルースターズ、ビートたけし等に提供。
アルバムのプロデュースをした小森みちこ『REMEMBER』も忘れがたい1枚。
近年ではSKI(制服向上委員会)に多数の曲を提供していた。
右上の写真はパンタが提供したアーティスト、バンドのアルバム、シングルの一部。石川セリのアルバム『星くずの街で』は黒ジャケットもあるがこれは白ジャケット。パンタが4曲の歌詞を提供したパフォーマンス・グループ時代錯誤のアルバム『冒険倶楽部』。WELCOMEのアルバム『BLUESY』(1981年)には「ミスティデイ・ミスティナイト」の歌詞を提供、WELCOMEは後にパンタと活動を共にするギタリスト菊池琢己が在籍していたバンド。CDは制服向上委員会のアルバム『No! Make』(2000年)で、パンタは作曲2曲と作詞作曲した「煌きの後に」を提供している。シングルは石川セリ「ムーンライト・サーファー c/w ミッドナイト・ラブ・コール」、桑名晴子「ムーンライト・サーファー c/w MOONLIGHT SURFER(英語版)」、岩崎良美「Vacance c/w マルガリータ・ガール」。
石川セリに「ムーンライト・サーファー」を提供した時の逸話が、Rooftopのコラム"PANTA(頭脳警察)乱破者控『青春無頼帳』”第1回「ムーンライト・サーファー」に掲載されている。
桑田佳祐監督作品・映画『稲村ジェーン』パンフレットより
パンタ演じる伝説のサーファー(右端)
持っているのはサーフボード代わりの洗濯板
映画公開は1990年、頭脳警察が再結成された年だった。