HOLLY & THE ITALIANS『THE RIGHT TO BE ITALIAN』
少し前にパワーポップ・コンピで紹介した「Tell That Girl To Shut Up」が収録されているホリー&ジ・イタリアンズのアルバム。オリジナルは1981年リリースだが、私が購入したのは2002年にアメリカのWounded Bird RecordsからリイシューされたCD。オリジナルLPとは若干曲順を変更、シングルB面曲等を追加している。
永遠のガールズ・パワーポップナンバー「Tell That Girl To Shut Up」の他にも疾走ナンバーの「Baby Gets It All」、シンガロングな「I Wanna Go Home」、ファンキーな「Just Young」、“決められた範囲以上に近づかないで”・”暴力を振るうつもりはないけどあんたが銃に弾を込めるのを手伝ってあげる”と刺激的な歌詞が歌われる「Rock Against Romance」など聴きどころは多い。「Just For Tonight」はUSガールズ・グループのザ・シフォンズが1968年にリリースしたシングル曲のカヴァーでややしっとりしたアレンジになっている。
CDのボーナストラックには「Miles Away」のシングル・バージョン、シングルB面曲3曲「Fanzine」、「It's Only Me」、「Poster Boy」を追加収録。
ホリー・ベス・ヴィンセントはアメリカ生まれ、ホリー&ジ・イタリアンズを結成、1979年にイギリスに渡りオーヴァルから7インチ・シングル「Tell That Girl To Shut Up c/w Chapel of Love」をリリースした。その後ヴァージン・レコードと契約、アメリカに戻りアルバム『THE RIGHT TO BE ITALIANS』の録音を開始するが制作は難航、完成するのに1年以上を費やした。リリース当時好意的な反応がなかったというこのアルバムだが、今ではパワーポップ名盤アルバムに必ず取り上げられる1枚だ。