MY PLAYLIST Vol.12 TRIBUTE TO THE VELVET UNDERGROUND『THE VELVET UNDERGROUND (III)』

ジョン・ケイルが去りダグ・ユールがベース・プレイヤーに加入して制作、セルフ・タイトルがつけられた3枚目のアルバム『ザ・ヴェルヴェット・アンダーグラウンド』(1969年)。前作の尖ったヴァイオレントな音像から柔らかで穏やかにフォーキーな趣を感じさせるサウンドに変化していった。

アンディ・ウォーホルのファクトリーの常連だったキャンディ・ダーリンに材をとりダグ・ユールが歌う「Candy Says」、ルー・リードとスターリング・モリソンの左右に分かれた朗読、モーリン・タッカーとダグ・ユールのこれも左右に分かれ交互に歌う実験的なトラック「The Murder Mystery」、モーリン・タッカーが歌う素朴な「After Hours」といったルー・リード以外のメンバーがヴォーカルの曲も印象に残る。

このアルバム収録曲からは「What Goes On」や「Pale Blue Eyes」といった曲に多くのカヴァー・ヴァージョンがあるが「Some Kinda Love」、「Beginning To See The Light」、「That's The Story of My Life」、「The Murder Mystery」は手持ちではカヴァーがなくネットで探した。

以下、私の選んだ、TRIBUTE TO 『THE VELVET UNDERGROUND (III)』

 1. Candy Says Garbage
 2. What Goes On The Feelies
 3. Some Kinda Love Dum Dum Boys
 4. Pale Blue Eyes Paul Quinn & Edwyn Collins
 5. Jesus Voice of The Beehive
 6. Beginning To See The Light Corduroy
 7. I'm Set Free Sugertown
 8. Story of My Life Lesa Aldridge
 9. The Murder Mystery The Curiously Strong Peppermints
10. After Hours Phil Wilson

Track 1. シングル「Breaking Up the Girl」(2001年)
Track 2. アルバム『オンリー・ライフ』(1988年)
Track 3. アルバム『アーリー・スタッフ』(1994年)
Track 4. シングル「Pale Blue Eyes」(1984年)
Track 5. シングル「I Walk The Earth」(1988年)
Track 6. サウンドトラック・アルバム『アフリカの夜』(1999年)
Track 7. アルバム『スイミング・イン・ザ・ホースプール』(1995年)
Track 8. シングル「Till The End of The Day」(1980年)
Track 9. アルバム『エンドレス・フィールズ・オブ・ポピー(10周年記念エディション)(2019年)
Track 10. アルバム『エヴリ・カンヴァセイション:ザ・ストーリー・オブ・ザ・ジューン・ブライズ&フィル・ウィルソン』(2005年)
という内容。

「Candy Says」はスコットランド出身のシャーリー・マンソンがヴォーカリストのバンド、ガービッジのシングル「Breaking Up the Girl」のカップリングに収録されていたカヴァー。ヴェルヴェッツからの影響大で近年ヴェルヴェッツまるごとカヴァーアルバムもリリースしているザ・フィーリーズはサード・アルバムから「What Goes On」。「Some Kinda Love」は1980年代から活動しているフランスのバンド、ダム・ダム・ボーイズによるブルージーでガレージなカヴァー。詳しいディスコグラフィは不明だが、配信されているアルバム『アーリー・スタッフ』収録。「Pale Blue Eyes」はスコットランド出身のシンガー、ポール・クインが同郷のエドウィン・コリンズ(当時オレンジ・ジュース在籍)と共演したシングルからでソウルフルな歌が聴けるカヴァー。「Jesus...」はヴォイス・オブ・ビーハイヴが1988年にリリースした「I Walk The Earth」の12インチに収録されていたカヴァーで曲の終盤に“I'm waiting for my man”と繰り返されるのが意味深。

「Beginning To See The Light」はイギリスのアシッド・ジャズから作品をリリースしていたコーデュロイのカヴァーで、この曲のカヴァーないかなと探していたらフジテレビ『アフリカの夜』というドラマのサントラに収録されていたこのカヴァーを発見。グルーヴィーでメリハリのあるアレンジ。歌い方がルー・リードっぽい。コーデュロイの日本編集ベスト『ザ・ファブリック・フォー』にも収録されているようだ。「I'm Set Free」はスコットランドのユニット、シュガータウンの全編穏やかな雰囲気のサウンドに包まれたアルバム『スイミング・イン・ザ・ホースプール』に収録されたカヴァー。非常に穏やかなアレンジ。「Story of My Life」はカヴァー・ヴァージョン持ってなくてネットで探したらメンフィスのパンクバンド、ザ・クリッツのヴォーカリストだったレサ・アルドリッジが1980年にリリースした7インチ「Till The End of The Day」にカップリングされていたカヴァーを見つけた。YouTubeで酔っ払ったようなヴォーカルにガレージな演奏が聴ける。ギターにアレックス・チルトンが参加しているようだ。

「The Murder Mystery」も持ってるディスクでは原曲からかけ離れたカヴァーしかなくて、ネットで探したザ・キュリオスリー・ストロング・ペパーミンツというグループのカヴァー・ヴァージョン。ミネアポリスで活動しているバンドらしい。2009年に発表されたアルバムの10周年記念エディションから。オリジナルが約9分のところ約15分の長尺ナンバーになっており、ほぼ原曲に沿ったアレンジで進んでいくが、後半5分くらいはアヴァンギャルドでノイジーな演奏。この曲フィーリーズにカヴァーして欲しいなぁ。ラストはジューン・ブライズとフィル・ウィルソンの音源を集めた編集盤『エヴリ・コンヴァセイション:ザ・ストーリー・オブ・ザ・ジューン・ブライズ&フィル・ウィルソン』からフィル・ウィルソンのリラックスした歌と演奏の「After Hours」。

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