MY PLAYLIST Vol.13『THE VERY BEST OF NICO』
最近ニコの音源をよく聴いている。少し前に『LIVE IN DENMARK』やヴェルヴェッツの『AVANT 1958-1967』とニコ関連の音源をブログで紹介したし、今年11月にはニコがブルーオーキッズを従えたライヴ音源『Nico Alive (Live in Stockholm 82-11-03)』がデジタル配信でリリースされた。そこでニコのベスト盤を作ってみるかな、と思い手元にあるスタジオ音源でベストを作ってみた。
以下、私の選んだ、THE VERY BEST OF NICO。
1. Strip-Tease
2. I'm Not Sayin'
3. The Last Mile
4. All Tomorrow's Parties
5. I'll Be Your Mirror
6. Femme Fatale
7. I'll Keep It With Mine
8. No One Is There
9. Janitor of Lunacy
10. You Forget To Answer
11. The End
12. Genghis Khan
13. Sixty Forty
14. Saeta
15. Vegas
16. Procession
17. Tananore
18. My Heart Is Empty
19. My Funny Valentine
という内容。全19曲で収録時間は約75分。
Track1. from『アヴァン 1958-1967』(2019年)
Track2. 3. from Single「I'm Not Sayin' c/w The Last Mile」(1965年)
Track4. 5. 6. from『ヴェルヴェット・アンダーグランド・アンド・ニコ(Deluxe Ediion)』(2002年)
Track7. from『チェルシー・ガール』(1967年)
Track8. from『マーブル・インデックス』(1968年)
Track9. from 『デザートショア』(1970年)
Track10. 11. from 『ジ・エンド』(1974年)
Track12. 13. 14. from『ドラマ・オブ・エグザイル』(1981年)
Track14, 15. from Single「Saeta c/w Vegas」(1981年)
Track16. from Single「Procession」(1982年)
Track17. 18. 19. from『カメラ・オブスキュア』(1985年)
ニコ主演の映画『ストリップ・ティーズ』(1962年)主題歌としてリリースが検討されたもののお蔵入りとなったセルジュ・ゲーンズブール作で幻のデビュー・フレンチポップ曲「Strip-Tease」はヴェルヴェッツ関連のコンピCD『アヴァン 1958-1967』に収録。1965年にイミディエイト・レコードからリリースされたニコの歌手デビュー・シングルでジミー・ペイジが参加している「I'm Not Sayin' c/w The Last Mile」のAB面2曲、私はジミー・ペイジ関連作の編集盤で初めて聴いたな。続いてニコが参加したヴェルヴェッツがリリースしたファースト・シングル「All Tomorrow's Parties c/w I'll Be Your Mirror」からニコが歌うAB面とセカンド・シングル「Sunday Morning c/w Femme Fatale」からニコが歌うB面、この3曲は外せないが、このシングル・ヴァージョンは2002年にリリースされたヴェルヴェッツのファースト・アルバムのデラックス・エディションに収録されていた。ニコのソロ初アルバム『チェルシー・ガール』からニコがシングル・デビューに使用したかったというディラン作の「I'll Keep It With Mine」はアレンジ過多感は拭えないが好きな曲。
ニコが自作曲を歌うようになり、ソロ・アーティストとしてのスタイルが確立したソロ2作目『マーブル・インデックス』からは弦の響きとニコの歌のみの「No One Is There」でアレンジはジョン・ケイル。『デザートショア』からハーモニウムを使用した「Janitor of Lunacy」、『ジ・エンド』からピアノの調べに合わせて歌われる「You Forget To Answer」、これらはライヴでも取り上げられる代表曲。そしてドアーズのカヴァーながらニコが独特の世界を作り上げ聴き応えのある「The End」。
1981年には当時のニュー・ウェイヴ・バンドスタイルを取り入れた、特に好きなアルバム『ドラマ・オブ・エグザイル』から「Genghis Khan」と「Sixty Forty」、同じ時期にリリースされたシングル「Saeta c/w Vegas」のAB面、ニコがマーティン・ハネットとコラボし音響的な挑戦をした、ニコ・アンド・ジ・インヴィシブル・ガールズ名義のシングル「Procession」、ニコの生前ラスト・アルバム『カメラ・オブスキュア』からパーカッシヴな「Tananore」、リズミカルなアレンジの「My Heart Is Empty」、様々なアーティストがカヴァーしている、ロレンツ・ハート作詞、リチャード・ロジャース作曲のジャズ・スタンダード名曲「My Funny Valentine」は、ジャズ・アレンジで時に深淵のようなニコの歌声が幻惑的に響く。この『カメラ・オブスキュア』リリースから3年後、まもなく50歳なろうかという1988年7月、ニコはイビサ島で帰らぬ人となった。
右上の画像は2012年にアイランドからリイシューされたアルバム『ジ・エンド』のブックレットより、エヴァ・ルドリングによるフォト。