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NEW ORDER「WORLD IN MOTION」

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1990年リリースのシングル。 2014年サッカー・ワールドカップ・ブラジル大会。日本代表の戦いは決勝トーナメントへ進むことなく終わってしまった。今後はザック・ジャパンの軌跡・総括、および裏話、暴露話なんかも出てくるだろうけど、なんだかんだ言っても楽しめたよ。日本にいてテレビ応援している私にとっては。監督・選手・スタッフにはひとまずお疲れ様。 でもブラジル・ワールドカップはこれから決勝トーナメント。ライヴの試合時間は深夜・早朝だが、無理して起きれば早朝の試合は見ることができるし、ワールドカップ・デイリーな番組でスーパープレーが毎日夜の番組で見られる。お楽しみはこれからだ。もう少しサッカー関連のディスクを取り上げるか。 といっても今年のものではなく、私がまだサッカーというかスポーツそのものにほとんど関心のなかったころに買ったニュー・オーダー「World In Motion」で、1990年ワールドカップ・イタリア大会・イングランド代表の公式テーマ曲。 リリースされた1990年当時日本盤でディスクが出れば買う、くらいは気に入ってたニュー・オーダー。だからサッカーに興味なくても買った。というかこのグループはこういう企画ものも出すんだ、という感想。私が持っているのは日本コロムビアからリリースされた日本盤CDシングルで、リミックスを含め4ヴァージョンが収録されている。 クールでダンサブルなビートにのって、 “自分自身を表現しろ スペースを作り出せ” で始まるフレーズもいい。当時のイングランド代表ジョン・バーンズがラップで参加している。ニュー・オーダーのシングルとしては初めての全英No.1となった。 このダンス・チューンはイギリスでは長く愛聴されているようだし、2002年日韓ワールドカップの時にイギリスではシングルとして再リリースされている。私にとってはイギリスのロック・バンドとサッカーとの深い関係、まぁイギリスのバンドマンはサッカー好きということを知った1曲かな。 私がサッカーというスポーツの面白さに目覚めたのは、このシングルがリリースされてからしばらくして、Jリーグが始まった1993年。サッカー日本代表の試合やサッカーに限らずオリンピックなどのスポーツ大会を見るようになるのもJリーグの始動がきっかけだった。日本代表のテーマも日本のロック・リスナーをうならせるアーティストに作っ

椎名林檎 「NIPPON」

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2014年6月リリースのシングル『Nippon』PV。 2014年サッカー・ワールドカップ・ブラジル大会。“日本のサッカーで世界を驚かす”と大会トップへの道を高らかに掲げてきた日本代表がグループリーグ1分け・1敗で6月25日グループ最強のコロンビア戦を迎える。もはや勝利しかない。勝ってもグループリーグ突破にはもうひとつのギリシャVSコートジボワール戦の結果に影響される。しかし先ず第一条件は得点をあげ勝つしかないのだ。崖っぷちの日本代表にこそ、今こそ、この歌はむけられている。 この歌はもはや応援歌ではない(“フレー・フレー”と歌っているのだから応援をしているのだが)。応援歌のスタイルを取りながら、その奥には日本代表へ突きつけた刃の如き鋭さを持っている。まるでこうなるのを見越していたかのように。椎名林檎から日本代表への挑戦とも思える内容だ。  "噫また不意に接近している淡い死の匂いで  この瞬間がなお一層 鮮明に映えている  刻み込んでいる あの世へ持って行くさ  至上の人生 至上の絶景” ピッチという最前線に立つアスリート達の必死の戦い(それは日本代表に限らないし、サッカーというスポーツに限らない)。その中で感じる孤高ともいえる一瞬の気分をすくい取った歌詞に果たして現実の日本代表は近づけるのか。 強靭なアタックでボールを奪い、高速のスピードでボールを操り、パスをつなぎ、走り抜けてゆくオートマティズムの先にあるゴールという“爽快な気分”は、無垢で混じり気のない、そして気高い日本のサッカーができた時に決まる。そこで勝利は待っている。 …と書いたけど、泥臭いゴールでいいよ。泥臭い勝利でいいから、勝ってグループリーグを抜けてくれ。

EGO-WRAPPIN' 「NEON SIGN STOMP」

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2014年5月リリースのシングル『Bright Time』より。 今年の4月から始まったオダギリジョー主演のTVドラマ『リバースエッジ 大川端探偵社』は約40分程の放送時間で、さりげない人間の情や欲、サニーサイドやダークサイドを描いていて、 時にはオチがあるような無いような回もあるけど、それがかえって良かったりして楽しく見ている。いまのところ探偵ものにありがちな殺人事件や警察との関係が無いのもいい。メインの俳優陣も良いし、毎回面白い依頼を探偵社に持ちかけてくる依頼者も(ほとんどは知らないけど)味のある俳優が演じている。原作のコミックも読んでみたいな。コミックは増やさないようにしているのだけど…。 このドラマのオープニング・テーマとなったエゴ・ラッピンの「Neon Sign Stomp」が番組にジャストフィット。浅草を舞台にしたドラマのような俗っぽく猥雑な雰囲気を持ちつつ、洗練されたメロディーとちょっぴりスパイ映画的な味付けを加えモノラル録音で仕上げた極上の主題歌だ。発売されたシングルには、このドラマのエンディング・テーマでマシーナリーなリズムと深いエコーのかかったギターと中納良恵のヒューマンなヴォーカルが素敵な「サニーサイドメロディー」とジャジーな劇中歌「太陽哀歌(たいようえれじー)」に、「パンドラの箱」を収録した4曲入り。 「Neon Sign Stomp」はミュージック・クリップも工事現場に使用する作業灯というか保安灯というかを使ったパフォーマンスがかっこいいので是非一度。 

My Wandering MUSIC History Vol.27 THE CLASH『BLACK MARKET CLASH』

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1980年10月Nu Disk/Epicよりリリースのコンピレーション・アルバム。 当時アメリカのみでリリースされた編集盤。内容はイギリスのみで発売されていたシングルB面曲、アメリカでのアルバム未収録曲、未発表曲、フリー・シングル収録曲を集めている。前回紹介したYMOの『増殖』も10インチだったが、このクラッシュのコンピも10インチ・アナログ盤だった。ずらっと並んだ警官隊を前にしたドン・レッツの後ろ姿(1976年ノッテングヒル・カーニヴァル暴動のときに撮影されたもの)、マカロニ・ウエスタン・ライクな書体のバンド名、ブラウンの画面とブルーの文字のジャケットは緊張感がある優れたデザイン。このレコードを手に入れた時には10インチ盤は私の中で特別なものになった。ちょっとインテリア・サイズな感じがいい。 イギリスの音楽紙ニュー・ミュージック・エクスプレス(NME)に付けられたクーポンとクラッシュのファースト・アルバムに付けられたステッカー(初回プレスの10,000枚に付属といわれている)を送るともらえたEPに収録されていた最初期のパンク・ロック「Capital Radio One」、 シングルB面曲でミックが歌う「The Prisoner」、トゥーツ&ザ・メイタルズのレゲエ・ソングをスピード・アップしたカヴァー「Pressure Drop」、アメリカ・リリースのファースト・アルバム(日本でいう『パール・ハーバー'79』) には未収録だった荒々しいパンク・ロック「Cheat」、シングルB面曲でサックスが印象的に使われている「City of The Dead」、リハーサルやウォームアップ等で演奏していたというブッカー・T&MG'sのカヴァー「Time Is Tight」。ここまでがアナログA面。 B面はレゲエ/ダブで、1980年8月にイギリスでシングル・リリースされた「Bankrobber」と、その12インチに収録予定だった(結局はリリースはされず) 「Bankrobber」のダブ・ヴァージョン「Robber Dub」をつなげた「Bankrobber/Robber Dub」、シングルB面曲でウイリー・ウイリアムズのレゲエ・ソングをアクセントを強調しソリッドにカヴァーした「Armagideon Time」、 そのダブ・ヴァージョン「Justice Tonig

My Wandering MUSIC History Vol.26 YELLOW MAGIC ORCHESTRA『増殖:MULTIPLIES』

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1980年6月アルファよりリリースのアルバム。 洋楽ではストラングラーズ、クラッシュ等、邦楽ではリザード、ヒカシュー、パンタ等を聴いていた1980年頃。世間的にヒットしていたのはYMOだった。1979年リリースの『ソリッド・ステイト・サヴァイヴァー』に収録されている「ライディーン」はシングル盤でもリリースされ大ヒット。当時はこの曲にあわせて踊るのが流行ってた。原色の竹の子族的な衣装で、長い鉢巻とかして。高校の運動会とかでもこの曲を使って踊って応援してる人がいましたよ。そういうのを見るのが嫌だったし、それでYMOは当時聴かなかった。聴こうとしなくても耳に入ってきたけど。『ソリッド・ステイト~』もファーストのUS版もどこかで聴いていた(ファーストUS版のジャケットは好き)。 このアルバム『増殖:Multiplies』は面白いギャグが入ってるからって借りた覚えがある。アナログ・リリース盤は10インチで、このサイズが変わってるなと思ったが、その10インチのジャケットを12インチサイズにあわせるため段ボールで外枠を作ってるのも奇妙だった(ずらり並んだ人形のジャケも)。 そんな訳で『増殖』を借りたものの音楽は特に興味がなくまともに聴くこともせず、“スネークマン・ショー”と題された幾つかのギャグ/コント目当てだった。小林克也と伊武雅刀のやり取りが爆笑というかニヤリな内容だった。英語コンプレックスを題材にしたものや、 “開けろ!” “だ・だあ~れ~?”が流行った警察ネタもの、林家三平のパロディ(中国での落語公演、時間差爆笑)、なんといってもロック評論をネタにした“良いものある、悪いものもある”が最高だった。普遍的な内容だ。 だけど後々あらためて楽曲を聴き素晴らしいと思った。プラスティックでエロティックでゴシックな歌詞に時事ネタを織り込んだポップな「Nice Age」、アーチー・ベル&ザ・ドレルズのカヴァー「Tighten Up (Japanese Gentleman Stand Up Please!)」はスカを意識したグルーヴィーな演奏もさることながら、キテレツな小林克也のヴォイスも面白い。ソリッドで近未来的なイメージの「Citizens of Science」、シャープなスカの「Multiplies」(「荒野の七人のテーマ」がモチーフに使われている)。この4曲はどれも大村

My Wandering MUSIC History Vol.25 頭脳警察『誕生』

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1973年4月ビクターよりリリースのアルバム。 PANTA&HALのライヴ『TKO NIGHT LIGHT』を聴いた後、スタジオ・アルバム『マラッカ』、『1980X』と聴き進み、当然頭脳警察はどんな音なんだ、と興味がわいてくる。この頃、1980年頃には自主盤の『ファースト』はもちろん、『セカンド』と『3』も手に入るような状態ではなく、近所のレコード屋で唯一売っていた頭脳警察のアルバムは『誕生』だけだった。たぶん当時でも注文すれば『仮面劇の~』と『悪たれ小僧』は手に入ったと思うが。 初めて聴く頭脳警察のレコードにしては『誕生』は少々地味すぎるかもしれない。ジャケットは真っ黒な地に銀色で歌詞が印刷してあるだけ、アーティスト写真もなし。見開きジャケの内側には拳と足のイラストというかデッサン画。それよりなにより相棒のトシがこのアルバムには不参加なのだ(だからアーティスト写真がないのも当然か)。これまでの“過激で政治的な”頭脳警察のイメージから転換を図るためスタジオでの制作に力を入れようと考えたパンタは、トシに正確なリズム・キープを要求するが“俺は機械じゃねぇ”と言ってトシは頭脳警察を離れていってしまう。そこでドラム田中清司、ベース式部秀明というスタジオ・ミュージシャンに演奏を依頼、キーボード・プレイヤー及び大きく導入されたストリングスのアレンジも含め馬飼野康二がアレンジャーとして参加し制作された。なおクレジットは無いがギターに水谷公生が参加、「鹿鳴館のセレナーデ」には石間秀樹が参加しているという(『結成40周年記念BOX・無冠の帝王』ブックレットより)。 パンタがこれまでに書き溜めていた楽曲が選ばれ、抒情的なバラードの側面に光が当てられた内容となっている。ハードなロック色は抑えられてアコースティックな仕上がりの曲が多い。 フルートがフューチャーされてドラマチックな構成の「悲しみにつつまれて」や、後々長くライヴでも取り上げられるイメージ豊かな「詩人の末路」、退屈な雰囲気がよく出ている「もうあきた」、高校時代にテスト用紙の裏に詩を書いたという「鹿鳴館セレナーデ」(詩集『ナイフ』にはアルバムでは歌われていない3番の歌詩が収録されている)、ゲーテの詩に曲をつけた7分を超える荘厳な「心の落ちつき失せて」。この5曲がスローなバラード。えぇ買いましたよゲーテの詩集を。それからヘッ