OMNIBUS a Go Go Vol.95『BURNING AMBITIONS (Japanese Edition) 』

『バーニング・アンビションズ』は1984年にイギリスのチェリー・レッドがリリースしたアナログ2枚組のパンク・コンピレーションだが、権利関係により、そのままのリリースが日本では出来ない事がわかり、元のコンピをベースに新たなバンドを加え、日本独自編集盤としてパンク10周年の1986年にリリースされた。コンパイルしたのは雑誌DOLLで編集をしていた黒田義之(ライナーノーツも)。リリースしたVAPの5周年記念ということもあり、アナログ盤は低価格な1,500円での発売だった。

チェリー・レッド盤(アナログ)は全38バンドが収録されていたが、そこからセレクトしたバズコックス、アドヴァーツ、ヴァイブレーターズ、イーター、キリング・ジョーク、コックニー・リジェクツ、UKサブス、ダムド、デッド・ケネディーズ、エクスプロイテッドの作品を収録し、GBHは曲を「Sick Baby』に変更、それにオリジナルに収められていなかったセックス・ピストルズ「Pretty Vacant」(デイブ・グッドマンのデモで『ミニ・アルバム』アナログ盤の日本リリース初回特典ソノシートだった)、ディスチャージ「Never Again」、カオスUK「No Cecurity」(1982年リリースの7インチ「Loud, Political And Uncompromising」収録曲)、トイ・ドールズ「Shoe Goes To Finos」、アディクツ「Viva La Revolution」が追加され全16バンドが1枚のディスクに収められた。

ジャケットもオリジナルのビートルズ “サージェント・ペパー”風なものから、日本独自のコラージュ・デザイン(あまりカッコよくない)に変えられている。このあたりの苦労話(?)はライナーノーツに詳しく書かれていて面白い。なおライナーにはチェリー・レッドのオリジナル盤に掲載されていたイアン・マクネイによるパンク論の和訳も載せられている。

個人的にはヴァイブレーターズを初めて聴いたのがこのコンピに収録されている「Baby,Baby」だったと思う。これ聴いてアルバム『ピュア・マニア』買った。やっぱり名曲。トイ・ドールズは一時期よく聴いてたけど今は全部売ってしまった。久しぶりに「She Goes To Finos」聴いたけど、タイトでカッコいいな。

今はいろんなパンク・コンピがあるけど、オリジナル・パンク、Oi系、ポスト・パンク、ハードコア・パンク、ポップ・パンクの代表的なバンドを揃えて、1986年日本編集としては内容充実してたと思う。ほとんど、というかデッド・ケネディーズを除いてあとは全部イギリスのバンドなので、ほぼイギリスのパンク・ロック・ショーケース。ちなみにチェリー・レッド版のCDも1988年にリリースされているが、こちらは24曲にダウンサイズされている。

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