吉田豪著『LET'S ROCKING ON 吉田豪ミュージシャンインタビューズVol.2』
2026年9月18日、白夜書房より刊行。
雑誌『BUBKA』に連載されている、吉田豪によるインタビューシリーズ「What's 豪ing On」が単行本化された。2025年6月号に掲載された井上富雄、2026年3月号に掲載された大江慎也、今回単行本化のために追加収録された花田裕之、池畑潤二と、オリジナル・ルースターズのメンバー4人のインタビューを収録している。『Vol.1』も同時発売されているが、この4人をバラさず1冊にまとめたのは良心的と思う。
量的には写真を含め下記のページ数。
井上富雄=27ページ
大江慎也=23ページ
花田裕之=22ページ
池畑潤二=24ページ
ルースターズ4人で100ページ弱だ(単行本は全370ページほど)。
4人に共通して質問しているのは、プロデューサー柏木省三の功罪、内田裕也・安岡力也と大江が揉めた話、映画『爆裂都市』時期の話題、大江が精神的不調になった経緯、給料や印税など金銭面の話題、といったところ。これまでそれほど語られていなかった柏木省三について各人が語っているのは興味深い。
井上富雄のインタビューはルースターズを辞めた直後の話、ブルートニックの音楽的実力、ルースターズの再活動について思うところなど、得に率直な内容と感じた。大江慎也のインタビューは、吉田豪の聞きたいところと大江の受け答えがやや噛み合っていないところもあるが大江の考えは伝わってくる。体調は心配だ。花田裕之のインタビューでは柏木についての意外な感想や、ルースターズ解散後のメジャー・ソロ時代について、ソロ弾き語り、こちらも数回のルースターズ再活動について思うところなどを語っている。池畑潤二は少年時代の話題や、薔薇族〜人間クラブの頃のエピソード、ゼロスペクターの活動について、フジロック・日高社長との関係などを語っている。2024年に刊行されたインタビューブック『ルースターズの時代』(今井智子著・シンコーミュージック刊)に池畑のインタビューが掲載されていない理由も語られていた。
伝説やタブー視されていた事柄の確認という切り口はプロインタビュアー吉田豪ならでは。包み隠さず答え語る4人に長い時の流れを感じた。
この本に掲載されているインタビューはルースターズ4人の他に11人を収録しているが、ネガティブな事柄や武勇伝もありつつ、プロレス関係、音楽的ルーツや業界裏話なども盛り込んで、全て興味深く読める。
